【天秤印】横浜弁護士雑記

横浜で弁護士をしている元裁判官が、日々感じたことなどを書いています。

イベント「常勤弁護士のいる児童相談所と子どもの権利保障」に参加して

10月27日は,東京弁護士会主催の,「常勤弁護士のいる児童相談所と子どもの権利保障」というイベントを聴きに行ってきました。 以前別のブログに書いたとおり,児童相談所の弁護士に関心はあります。神奈川県弁護士会の子どもの権利に関する委員会を辞め…

里親大会「大切なあなただから」に参加して

10月21日は,第30回神奈川県里親大会「大切なあなただから」に行ってきました。 「里親大会」なので,本来は「里親」として登録している方向けなのだと思いますが,一般参加もできます。私自身は,横須賀市の児童福祉審議会に所属していたときにその登…

【ぱあとなあ神奈川研修】第三者後見人による事例検討会

10月20日には、ぱあとなあ神奈川の研修会に参加してきました。 …いえ、「はあとなあ」は、家庭裁判所に成年後見人候補者の名簿を提出している社会福祉士会の組織なのですが、「どうせなら他職種も参加しませんか?」とお誘いが弁護士会にあったものです。 1…

人が集まって生きるということ(「オオカミの護符」【書評】)

1 昔は木がたくさん 先頃,横浜市の「北」に行った際,そこの方から「この辺りは,昔,木がたくさんあったんですが…」ということを言われ,この本のことを思い出しました。 www.shinchosha.co.jp この本は,宮前の土橋にて幼少期を過ごされた方が書かれ,土…

養護教諭のためのいじめ対策プログラム(平成29年度こころの健康セミナー)

1 養護教諭が「いじめ」の問題にできること? 前の記事よりも、日付は遡ることになりますが…。 8月26日の土曜日には,平成29年度の「こころの健康セミナー」(神奈川県精神保健福祉協会主催)に参加してきました。 このセミナーは、以前勉強会で面識を…

母子保健:さいたまの取り組みを伺って(父子手帳と産後うつのパンフレットなど)

1 「母子保健」のお話 日曜日に,さいたまの母子保健の話を伺う機会がありました。 裁判所,という役所にいて,児童相談所は多少なりとも関わりを持つことがあったのですが,保健師,あるいは精神保健福祉士・社会保険福祉士といった方々は,児童福祉や高齢…

「手をつなぐ~子どものためにさらなる連携を~(第9回日本子ども虐待医学会学術集会)」に参加して

1 どちらに参加しよう? 昨日(8月5日)と、今日(8月6日)は、日本子ども虐待医学会学術集会「手をつなぐ~子どものためにさらなる連携を~」に参加してきました。 私自身は、弁護士会の子どもの権利に関する委員会を4月で辞め、今現在そうした関係の仕事…

ときどき山(あまり高くない)に…

少し前ですが、17日の土曜日に、大山に登ってきました。 昔から、ときどき山に登ります。 役人だったころは、何日か午前3時まで仕事したり、金曜の夜から眠れないまま早朝から、山に登りに行っていました。 そんなに高い山じゃありません。 …そこそこ高い山…

改正個人情報保護法と、自治会・町内会

1 自治会・町内会も改正個人情報保護法の対象に 先日タウンニュースの取材に応じる際、いろいろと必要以上に調べてしまったこともあり、こちらのブログに書き残しておこうと思います。 改正個人情報保護法が平成28年5月30日に施行され、このときから町内会…

「改正個人情報保護法Q&Aと誰でもつくれる規程集」【書評】

5月30日まで行っていた,改正個人情報保護法にかかる仕事との関係で,個人情報保護委員会から公表されているガイドライン(「通則編」及び「第三者提供時の確認・記録義務編」),のほか,「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」,「医療…

ハートネットTV「発達障害者の再出発②司法から福祉へつなぐ」

高齢者・障害者の権利に関する委員会の先生が,MLで勧めておられたので,今日は早めに帰宅してこの番組を見ていました。 昨日までは,改正個人情報保護法の施行との関係で,対応しなければならない仕事があって余裕がありませんでしたが,今日は幸いにもそ…

「…それでも生に『しかり』と言う」(ヴィクトール・フランクル「夜と霧」【書評】)

ゲルトルート・シュヴィングの「精神病者の魂への道」を読んで,心理学についての古典が,「人間の生き方」というものと密接に関わっているように思えて,また読んでみたいと思ったものですから,少し前から気になっていたこの本を【通勤読書】で開いてみま…

「武器としての決断思考」【書評】

シュヴィングを読んだ後,宇賀先生の御本(持ち歩きっぱなしですが…)に戻るのがちょっとしんどく感じて,寄り道をしていまいました。 ji-sedai.jp 一時期,大学の教授が学生向けに行っている人気授業の本として書店で宣伝されていた,「僕は君たちに武器を…

電子書籍・出版の契約実務と著作権【書評】(そしてKindle Unlimited)

www.minjiho.com 年明けに,ちょっとした課題を頂いたので,【通勤読書】で読んでいた本です。 いえ,インターネット法研究会の有志で本を執筆したときに,「著作権法」を担当したこともあり,少し関心があったことも否めないのですが。 1 この書籍について…

「虐待の疑いのある乳幼児頭部外傷についての法的考察」(平成28年度専門実務研究:予定ですが;)

神奈川県弁護士会が毎年出している【専門実務研究】について、頒布を希望するかどうかを尋ねる問い合わせが、会員である我々弁護士に来ました。 専門実務研究は、神奈川県弁護士会に所属する弁護士が、研究会や委員会、個人等で研究・調査した論文などを投稿…

公益通報って、難しいですよね…。

この本を読み終わりました。 田口和幸他著「公益通報者保護法と企業法務」(民事法研究会 平成18年) 昔の本なので、民事法研究会のサイトにも載っていませんね。 この本は、新しく買う本としてお勧めする本ではありません。 公益通報者保護法が本格施行され…

「子どもの権利に関する委員会」

先日は,「子どもの福祉部会」の上位組織である,「子どもの権利に関する委員会」に出席して,部会退会の希望などを伝えてきたのですが…。 これまで,「子どもの権利に関する委員会」を続けるかどうかは,ゆっくり考えてもいいと思っていたのですが,出てみ…

児童虐待対策分野から、離れることについて。

これまで、このブログでも「子どもの権利」関係の活動や書評を書いたこともありましたが、本日、神奈川県弁護士会で、児童相談所の来年度以降の嘱託・非常勤が一応決まったことを持って、私自身は、来年4月からは児童虐待対策を取り扱う、「子どもの福祉部会…

定年後再雇用と労働契約法20条(控訴審)

以前、幾度かブログで触れていた定年後再雇用と労働契約法20条の問題で、 yokohamabalance.hatenablog.com 控訴審が出たようですね…。 東京新聞:定年後賃下げに「合理性」 労働者側が逆転敗訴 東京高裁:社会(TOKYO Web) これまでの記事で原審に疑問に感じ…

Q&A家事事件と保険実務【書評】

【通勤読書】で,この本を読み終わりました。 www.kajo.co.jp この本は,家事事件の各場面(成年後見,高齢者,相続,遺言,未成年等)で,保険契約について生じる問題について書かれた本です。 弁護士業務において,必須の知識かというと,そこまでではない…

【士業連携】を考える-【暮らしと事業の何でも相談会】

最近,新しい法律や,判例について書いてきたこともあって,日常的なイベントもの等は書きづらくなっていたところもあるのですが…。 10月1日に藤沢商工会議所の「暮らしと事業の何でも相談会」に参加してきました。 1 藤沢商工会議所の取り組み 藤沢商工…

定年後再雇用と、「別の業務」

事務職として働いていた男性が、定年後の再雇用で、清掃業務を提示されたこと等について、違法性を認めた高裁判決が出た、という報道があります。 再雇用巡りトヨタ敗訴、127万円支払い命令 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 定年後の再雇用「事務→清…

「まず大人が幸せになって下さい。そうすれば子どもも幸せです。」:埼玉の事件報道に接して思うこと

埼玉で,痛ましい事件が起きてしまいました。 headlines.yahoo.co.jp つい先頃,川崎市でも痛ましい事件でこどもの命が失われ,教師や福祉関係者,そして弁護士も「何故この事件を防げなかったのか」「どうしたらこうした事件を防げるのか」を議論していた,…

アディクションと加害者臨床【書評】

さきのブログで書いたように、小林桜児先生の話を聞いて、すこし【依存症】というものについて知りたく思い、通勤電車の中でこの本を読んでいました。 藤岡淳子編著「アディクションと加害者臨床」(金剛出版2016) 金剛出版さんの本は,家族療法リソー…

【刑の一部執行猶予】(薬物)依存症への取り組みとして

歌手の薬物事件について、「懲役1年6月、うち4月を2年間の保護観察付き執行猶予(求刑・懲役2年)」との判決が言い渡されたという報道が、少し前にありました。 報道を目にされた方の中には、「『うち4月を2年間の保護観察付執行猶予』ってなんだろう…

定年後再雇用と労働契約法20条(その5:平成28年5月13日東京地裁判決についての思いつき②)

前のブログを書いてから,随分経ってしまいました。 yokohamabalance.hatenablog.com 前のブログでも、結局、【考え方の糸口】を書いてみただけで、そこで一度力尽きてしまっていたのですが…。 しばらく他の仕事などをしているうちに,またいろいろ考えが沸…

定年後再雇用と労働契約法20条(その4:平成28年5月13日東京地裁判決についての思いつき)

う~ん,なるほど。そういうことなのか…。少し,頭が整理されてきた気がします。 先の,6月26日のブログの「2(1)」で, yokohamabalance.hatenablog.com 1(4)で触れたように、「65歳定年」として同じ「期間の定めのない社員」となれば、60歳…

JILPT「高年齢者の雇用に関する調査」(定年後再雇用と労働契約法20条追捕)

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)から、「高年齢者の雇用に関する調査」が発表されました。 調査シリーズNo.156「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」|労働政策研究・研修機構(JILPT) 平成27年7月17日から7月31日にかけて行わ…

定年後再雇用と労働契約法20条(その3:平成28年5月13日東京地裁判決についての感想)

前のブログで紹介した、平成28年5月13日東京地裁判決について、感想めいたものを含めて、続きを書いてみたいと思います。 判決内容の紹介等は、前のブログを見ていただければと思います。 yokohamabalance.hatenablog.com まず、判決を読む際の注意点に…

定年後再雇用と労働契約法20条(その2:平成28年5月13日東京地裁判決の紹介等)

以前,ブログでも書いた,平成28年5月13日東京地裁判決を読んでみました。 まだ,判例雑誌等にも載っていないと思いますし,裁判所のHPにも掲載されていませんでしたが,判例検索システムのウエストロー・ジャパンには掲載されていました。 しかし…、…