【天秤印】春日井弁護士雑記(旧名古屋・横浜弁護士雑記)

現在春日井市に勤めている元裁判官現弁護士が、日々感じたことなどを書いています。

こども・学校

児童虐待対策分野から、離れることについて。

これまで、このブログでも「子どもの権利」関係の活動や書評を書いたこともありましたが、本日、神奈川県弁護士会で、児童相談所の来年度以降の嘱託・非常勤が一応決まったことを持って、私自身は、来年4月からは児童虐待対策を取り扱う、「子どもの福祉部会…

「まず大人が幸せになって下さい。そうすれば子どもも幸せです。」:埼玉の事件報道に接して思うこと

埼玉で,痛ましい事件が起きてしまいました。 headlines.yahoo.co.jp つい先頃,川崎市でも痛ましい事件でこどもの命が失われ,教師や福祉関係者,そして弁護士も「何故この事件を防げなかったのか」「どうしたらこうした事件を防げるのか」を議論していた,…

再婚禁止期間の短縮(6箇月から100日へ)

1 はじめに 「民法の一部を改正する法律」が本日成立したようです。 ●民法の一部を改正する法律案 具体的に、従来の民法の定めと何が変わったかと言うと、以下のようです(削除等されたところは取消線、追加等されたところは赤色で書いてみました。)。 (…

後見人とマイナンバー(その3:マイナンバーが必要な主な事務)

委員会の関係で、後見とマイナンバーの整理を担当することになりましたので、それに関連した内容を。 1 後見人の業務の中で、マイナンバーを取り扱うものは?。 この質問、聞かれることあるんですよね…。 とはいえ、後見人は、被後見人の持つ権利のうち、一…

認知症高齢者の鉄道事故について

1 平成28年3月1日最高裁判決について 認知症の高齢者が徘徊していて、駅構内の線路に立ち入り鉄道事故となってしまい、鉄道会社が親族に監督責任等を問うていた事件について。 最高裁判所の判決が出ましたね。 今は一時的にこちらに掲載されているよう…

少年事件

ご無沙汰しています。 受任している事件以外にも,専門実務研究の論文や マイナンバーセミナーの講師などで時間を取られ,長らくブログを更新していませんでした(年内はなかなか滞ってしまうかもしれません。)。 通勤電車で読書はしており,感じたことを書…

マイナンバーの書式について(厚生労働省分野)

近日中に、企業向けのマイナンバーセミナーを担当するので、そのパワーポイントの準備をしていたのですが…、 そうしたところ、以前「高齢者とマイナンバー」でも触れた、介護保険を含む、厚生労働省が所管する各種社会保障手続きについての、省令が、9月29日…

「毒になる親 一生苦しむ子供」【書評】

『毒になる親 一生苦しむ子供』(フォワード,S., 玉置悟):講談社+α文庫|講談社BOOK倶楽部 随分前に目を通した本ですが,マイナンバーにかこつけて書く暇がなかったので,このあたりで紹介を。 「児童虐待」を受けた経験があり,その「児童虐待」を受…

親権者が、子供の個人情報を取得する場合

少し経ってしまいましたが、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(いわゆる「行政機関個人情報保護法」)あるいは地方自治体の個人情報保護条例に基づいて、親権者等が子供の個人情報を取得する場合について、書いてみたいと思います。 「親権者」…

【続続】ドメスティックバイオレンス(DV),児童虐待等の被害者と,「マイナンバー」

表題の事柄については、これまで2度にわたり書いてきたところですが…。 <a href="http://yokohamabalance.hatenablog.com/entry/2015/05/02/180604" data-mce-href="http://yokohamabalance.hatenablog.com/entry/2015/05/02/180604">ドメスティックバ…

平成27年度「こころの支援セミナー」(神奈川県精神保健福祉協会)

「マイナンバーは?」と思われていた方がいらっしゃいましたらすみません。 本日、神奈川県精神保健福祉協会の主催する、上記セミナーに参加してきましたので、その雑感などを。 1 こころの支援セミナーって?。 学校関係者や、子どもに隣接する職種を対象…

女子高生の裏社会(書評)

1 参加しなかった研修会 6月末に,かながわ子ども・若者総合相談センターが行う「関係性の貧困~居場所を求める子どもたち」という表題の相談員研修がありました。 当日,少し風邪気味だったのですが,子どもを取り巻く問題について話を伺うことで元気を分…

【続】ドメスティックバイオレンス(DV),児童虐待等の被害者と,「マイナンバー」

1 以前ブログで 以前、このブログで以下のような題材を取り上げました。 <a href="http://yokohamabalance.hatenablog.com/entry/2015/05/02/180604" data-mce-href="http://yokohamabalance.hatenablog.com/entry/2015/05/02/180604">ドメスティック…

社会的養護児童のアセスメント【書評】

前回から,また時間が空いてしまいました。 この間,国選事件をやり,労働審判の初動を2件(労働者側1,経営者側1)抱え,弁護士会内の研修会でマイナンバー法と個人情報保護法の改正動向を紹介し,マイナンバー法の説明用パンフレットの原稿を考えるなど…

「非行と福祉」子どもセンター「てんぽ」8周年記念イベント

1 感化教育ということ 少し前になりますが、5月16日には、子どもセンター「てんぽ」の8周年記念イベントである「非行と福祉」を聞いてきました。 長年自立援助ホームを運営してこられた方を招いて、その経験をお伺いした企画です。話の中で印象に残った…

ドメスティックバイオレンス(DV),児童虐待等の被害者と,「マイナンバー」

1 マイナンバーって? マイナンバー社会保障・税番号制度の一部分の施行期日が、平成27年10月1日と、迫ってきました。 マイナンバーは,社会保障と税の分野などの,行政手続きにおける添付書類(戸籍や住民票など)の削減などに役立つといわれています。 具…

いじめで人が亡くなられたとき(横浜弁護士会専門実務研究発刊にも関連して)

1 大津事件の市側との和解 以前、このブログでも触れていた大津事件に関して、裁判において、ご遺族と市側との間の和解が成立されたようです。 大津いじめ和解:父親「被害者救済に意義」 - 毎日新聞 こうした事件は、当事者にとって、和解などの形で「区切…

研修会「相続税法の基礎知識」

少し前になりますが、1月8日に、横浜弁護士会の遺言相続お悩みダイヤル相談担当者向けの研修である、「相続税法の基礎知識」を受けてみました。税理士の馬淵輝之先生が講師になって下さったものです。今ホームページを拝見すると、企業の税務もやられてい…

未成年後見と、国家賠償責任(宮崎地裁平成26年10月15日判決)

本当は、後見事件について、別の切り口から書く予定だったのですが…。 先日、横浜弁護士会の高齢者・障害者の権利に関する委員会において、「未成年後見人」が本人の財産を横領してしまった事について、その後見人を監督すべき立場にあった家事審判官の責任…

「スクールソーシャルワーカーの職業倫理-アメリカのスタンダードに学ぶ―」(研修会)

少し前になりますが、平成26年10月5日、スクールソーシャルワーカー実践研究会が主催した研修会「スクールソーシャルワーカーの職業倫理-アメリカのスタンダードに学ぶ―」(講師:東京学芸大学准教授馬場幸子先生)に参加してきました。 スクールソー…

裁判官の視点を持った弁護士として

少年事件について話しているうちに、信頼していた付添人の先生を、少し傷つけてしまったかもしれません。すぐに謝っておきましたが、心遣いが足りなかったかなと反省しました。 難しいですね。 少年事件については、私自身なかなか妥協が出来ません。 相手の…

「大津中2いじめ自殺」(共同通信社大阪社会部著。PHP新書)【書評】

1 読み終わって 大津中2いじめ自殺 | 共同通信大阪社会部著 | 書籍 | PHP研究所 やっと,この本を読み終えることができました。かなり読むのがきつかった本です。被害者の生徒の日常漏らした言葉,家族の心の動き,先生の心の動き等,かなり迫真性もある描…

子どもへの関わり:法律家と児童精神科医と教師の立ち位置

1 こころの支援セミナー 昨日,8月9日は,一般社団法人神奈川県精神保健福祉協会主催の,「平成26年度こころの支援セミナー」に参加してきました。 学校関係の方や,子どもの相談機関に所属する方を対象にして,子どもの心の理解について講師の方をお招きし…

少年事件を巡って-弁護士と裁判官の視点-

ずいぶん,更新が滞りました。 本当は,「ぷらら」がブログサービスを終了するので,移転の準備もしなければならないのですが, がんばらないといけないですね…。 1 少年事件における,弁護士と裁判官の視点の違い これまで、刑事事件や少年事件について書…

赤ちゃんにとって一番幸せな道を探して:「こうのとりのゆりかご」の講演を聞いて

あいもかわらず、ブログの更新が遅れています。 年末が近づいてきたので、事務所の仕事も、弁護士会の仕事も、いろいろと大詰めになってきています。 なんとか、11月中に、本業以外のところはめどをつけておいて、あとは来年に向けての「棚卸」にしたいん…

児童精神科の先生方との勉強会

少し前になりますが、6月26日には、児童精神科のお医者さんや、学校の先生などが有志で参加している勉強会にお邪魔させていただきました。 月に1回程度のペースで開かれているものですが、「ついつい」お話を聞きたくなって、毎回出席してしまっています…

ライラックの物語―子どもの治療に寄り添う

お久しぶりです。随分更新を休んでいました。 この間、所属した民間団体の総会に出席してみたり、子どもの権利委員会のイベント(以前ブログで書かせていただいたWinkの新川さんたちをお招きしてのイベントです。)をやったりと、忙しく過ごしていましたが……

よういくの日(NPO法人Wink)

やれやれ、春になると忙しくなるのか…瞬く更新が滞っていました。 日頃の業務以外にも、JICA等の主催する「中小企業の海外展開支援事業に関する説明会」とか、日弁連のシンポジウム「子供の安心・安全から面会交流を考える」とか、色々と勉強になり、情…

奨学金ホットライン

更新が遅いですね。すみません。 どうしても、仕事等があるとなかなか記載ができず、週末につい、書き込むようになってしまいます。 急ぎの仕事があると、週末にすら書き込めないのですが・・・。 さて、2月1日に日本弁護士連合会主催の「全国一斉奨学金問題…