読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

【天秤印】横浜弁護士雑記

横浜で弁護士をしている元裁判官が、日々感じたことなどを書いています。

公益通報って、難しいですよね…。

この本を読み終わりました。 田口和幸他著「公益通報者保護法と企業法務」(民事法研究会 平成18年) 昔の本なので、民事法研究会のサイトにも載っていませんね。 この本は、新しく買う本としてお勧めする本ではありません。 公益通報者保護法が本格施行され…

定年後再雇用と労働契約法20条(控訴審)

以前、幾度かブログで触れていた定年後再雇用と労働契約法20条の問題で、 yokohamabalance.hatenablog.com 控訴審が出たようですね…。 東京新聞:定年後賃下げに「合理性」 労働者側が逆転敗訴 東京高裁:社会(TOKYO Web) これまでの記事で原審に疑問に感じ…

定年後再雇用と、「別の業務」

事務職として働いていた男性が、定年後の再雇用で、清掃業務を提示されたこと等について、違法性を認めた高裁判決が出た、という報道があります。 再雇用巡りトヨタ敗訴、127万円支払い命令 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 定年後の再雇用「事務→清…

定年後再雇用と労働契約法20条(その5:平成28年5月13日東京地裁判決についての思いつき②)

前のブログを書いてから,随分経ってしまいました。 yokohamabalance.hatenablog.com 前のブログでも、結局、【考え方の糸口】を書いてみただけで、そこで一度力尽きてしまっていたのですが…。 しばらく他の仕事などをしているうちに,またいろいろ考えが沸…

定年後再雇用と労働契約法20条(その4:平成28年5月13日東京地裁判決についての思いつき)

う~ん,なるほど。そういうことなのか…。少し,頭が整理されてきた気がします。 先の,6月26日のブログの「2(1)」で, yokohamabalance.hatenablog.com 1(4)で触れたように、「65歳定年」として同じ「期間の定めのない社員」となれば、60歳…

JILPT「高年齢者の雇用に関する調査」(定年後再雇用と労働契約法20条追捕)

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)から、「高年齢者の雇用に関する調査」が発表されました。 調査シリーズNo.156「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」|労働政策研究・研修機構(JILPT) 平成27年7月17日から7月31日にかけて行わ…

定年後再雇用と労働契約法20条(その3:平成28年5月13日東京地裁判決についての感想)

前のブログで紹介した、平成28年5月13日東京地裁判決について、感想めいたものを含めて、続きを書いてみたいと思います。 判決内容の紹介等は、前のブログを見ていただければと思います。 yokohamabalance.hatenablog.com まず、判決を読む際の注意点に…

定年後再雇用と労働契約法20条(その2:平成28年5月13日東京地裁判決の紹介等)

以前,ブログでも書いた,平成28年5月13日東京地裁判決を読んでみました。 まだ,判例雑誌等にも載っていないと思いますし,裁判所のHPにも掲載されていませんでしたが,判例検索システムのウエストロー・ジャパンには掲載されていました。 しかし…、…

定年後再雇用と労働契約法20条

今朝、新聞を見てびっくりしました。 headlines.yahoo.co.jp …いえ、取っているのは読売新聞なのですが。 労働契約法20条を根拠として、定年後の期間雇用社員が正社員と同じ業務に従事しているにもかかわらず、賃金に差があることを問題とした判決が出たよ…

マイナンバーを第三者に保管・収集させる場合(企業法務とマイナンバー:こぼれ話)

※ 申し訳ありません。10月19日に一部(ポイント②)を書き直ししています。 ご無沙汰してしまってすみません。このところ、少し立て込んでいたこともあり…。 しかも、久々に書いてみれば、「企業法務とマイナンバー」の「本話」をすっぽかして「こぼれ話…

社会保険の実務相談【書評】

www.shakaihokenroumushi.jp 以前のブログで,転籍・出向とマイナンバーとの関係を書いた際に,少し引用した本です。マイナンバーの関係で3分の1に目を通したため,「どうせなら」と少し前に通通読しました。 1 社会保険についての知識の身に付け方 社会…

個人情報保護法の改正とマイナンバー

個人情報保護法と、マイナンバー法の改正案が、8月28日参議院で修正の上可決され、その後9月3日に衆議院で同意されることにより成立しました。 <a href="http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150903/k10010214771000.html" data-mce-href="http://www…

マイナンバーと人事労務(その5:会社と従業員の立ち位置)

おおむね,人事労務の各場面でマイナンバーが問題になるのは,こういったところかな,と思います。 最後に,これまでから分かるマイナンバー法の特徴について触れた上で,マイナンバー法における「会社」と「従業員」の立ち位置について,思うところを書いて…

マイナンバーと人事労務(その4:出向・転籍)

なんだか、少し間が空きましたが、人事労務の話に戻ろうかな、と思います。 もっとも、そろそろ書くことも無くなってきたのですが。 第1回は、前から在職していた労働者の関係、第2回と第3回はこれから働く労働者の話でしたので… 今回は、在職とこれから…

マイナンバーと人事労務(その3:派遣)

前回(その2)は、事業主と、事業主に雇用される人の関係について書きましたが… 事業主に雇用されない派遣労働者の場合はどうなのか、書いてみようと思います。 1 派遣労働者の契約関係 派遣労働者、というのは派遣会社(派遣元)に雇用されながら、他の会…

マイナンバーと人事労務(その2:内定)

1 これから勤める人と、マイナンバー さて、前回その1で書いたのは、どちらかというとマイナンバー導入前から勤めていた従業員と、事業主のことになりますが…。 では、「これから勤める人」と事業主との関係はどうでしょうか?。 あるいは前回の話を見て、…

マイナンバーと人事労務(その1:不提供と懲戒)

1 労働者が事業主にマイナンバーを提供しなかったら? 7月21日には,神奈川県社会保険労務士会横浜南支部で「マイナンバー法のポイント」を講義してきました。 マイナンバーは,【税】とともに【社会保障】分野において適用されるものですので,むしろ従…

「戦略的な就業規則改定への実務」(書評)

「戦略的な就業規則改定への実務」(浅井隆著:労働開発研究会)を読み終わりました。 昨年、安倍首相もこのような発言をしていましたし、その後は日立の記事なども出ていましたね。それで買ったり、読んだりしたわけではないのですが…。 1 購入の動機 「就…

東洋経済新聞社「パワハラ防止のためのアンガ-マネジメント入門」(書評)

東洋経済新聞社「パワハラ防止のためのアンガ-マネジメント入門」を読み終わりました。 何かの拍子で目次を目にし、目次から推測する限りそれなりの内容がある書籍に思えたこと、 そして「パワーハラスメント防止」のためにアンガ-マネジメントという視点…

事業主と労働者の間-すき家の調査報告書に目を通して-

1 「すき家」の労働環境改善に関する第三者委員会 調査報告書 「すき家」労働環境改善のための調査報告書受領について | ゼンショー ZENSHO この土日に,知人の方から聞いて,目を通してみました。 もともと裁判官時代は、一番関わっていた労働の問題なので…

最新裁判例に見る「職場復帰・復職トラブル予防のポイント」(書籍)

最新裁判例に見る「職場復帰・復職トラブル予防のポイント」(新日本法規 浅井隆編著)を読み終わりました。中心となる「私傷病休職からの職場復帰・復職」については,先週にすでに読み終わっていたのですが,本職の仕事等もあり,それ以降が読み進めていま…

「心身の健康はメンタルヘルス対策から」:保健師の視点

昨日21日は、仕事が終わってから、産業保健推進センターメンタルヘルス対策支援センターの保健師、柳田勝江先生の「心身の健康はメンタルヘルス対策から」というお話を伺ってきました。 たまたま目に留まった工業会主催のイベントでしたが、「保健師」のお…

有期労働者①[平成24年労働法改正]

「有期労働者の雇用管理実務」を読み終わりました。 この本は、平成24年8月3日に成立した「労働契約法の一部を改正する法律」について解説がされたもので、 終身雇用とは異なり、「1年」「2年」など、期間を定めて雇われている「有期労働者」について…

労災:心理的負荷による精神障害

Q&A職場のメンタルヘルス(三協法規出版)を読み終わりました。 私見と異なるところはもちろんありますが、深く、いろいろな場面について検討されていて、非常に勉強になりました。こうした本を読みながら、ある時は感心させられ、あるときは「ここに書い…

終身雇用・年功序列制を想う(人事労務)

あまり関係ないことで更新するのもどうかと思い筆を止めていましたが、あまり更新しないことも問題なので、先ごろ読んだ本に触れてみることにしました。 「プロフェッショナルコンサルティング」(波頭亮・冨山和彦著 東洋経済新報社) こういう、弁護士同様…

人事労務「続 監視・指紋認証」

先に書いてから数日して、いろいろと考え直したところもあったので、それも書いておこうと思います。 結局、裁判は、「ある利益とある利益とのぶつかり合い」の側面を持つことが多いので、 この問題も、 労働法マターでは「静脈を記録される従業員のプライバ…

人事労務「監視・指紋認証」

・・・・奈良市が,一部職員の出退勤に静脈認証システムの導入を検討している・・・・ そんな趣旨の記事が,MSNの産経ニュースWESTに掲載されていました。(記事へのリンク) 難しい問題ですね。 労働法の分野で正面から争えるかは,疑問が残ります。…

人事労務「メンタルヘルス」

中小企業シンポジウムも無事終わり,昨日は一般社団法人 産業保健法務研究研修センターの設立記念セミナーに参加してきました。 同団体は,メンタルヘルスに対応する法務の研修・開発と,支援を目的として,2012年11月に設立された団体です。 従業員が…