【天秤印】春日井弁護士雑記(旧名古屋・横浜弁護士雑記)

現在春日井市に勤めている元裁判官現弁護士が、日々感じたことなどを書いています。

弁護士業務

そうでした。キャッチボールって、難しいんです。

異業種間での会話のキャッチボールの難しさについて、一度書いてみたのですが、分かりにくかったので削除しました。すみません。

「分かってもらう」こと

「分かってもらうこと」って、難しいなあ…と、痛感します。 法律家と法律家でない人、というよりも、「裁判を進める」際にその行く末を予想して、必要なことを考えるという「視野」「視界」は、裁判を経験しないと(単に、裁判を傍聴すればよい、というだけ…

限界

「法律相談」という具体的な問題に触れることを通じてこそ、自分の力も理解も増していくし、それがやりたくて春日井市に就職したというところもあります。また、仕事が無かったら、いただいている税金に申し訳ないので職を辞するか迷う可能性もあるので、何…

伝えることは難しい

う~ん。この年になってこんなことに悩んでいてはダメなのかもしれませんが…。 やはり「伝えること」というのは難しい。 裁判例が明言している、本に明確に書いてある、というものであれば、説明を受けた側も分かってくれるのですが…。 その事例に適した裁判…

伝わらない?

「それでは、裁判官には伝わらないから…」 弁護士事務所をやっていた時も、児童相談所にいたときも、そして今も。 結構これを説明しているのだけれども、これがなかなか伝わらない。 何が伝わらないって、「裁判官が何を考えて、何をやっているのか」(=ど…

期待に沿う答えを返してあげられないとき

法律相談に来てもらっても、相手の期待に沿う答えを返してあげられないときは、難しいな、と思います。 とはいえ、本人の思いに沿ってしまうと、現状を変えようと(裁判等をやって)しまうと、かえって本人の望まない結果に結びつく場合はあります。 僕とし…

なんとかしてくれるんじゃないかな?

今日、他課に足を運んだ際に、「相談したい」と目で語ってきた人から【逃げ遅れて】(ぇ?)「あわあわ」してしまいました。 いえ、今仕事量は多くないので、相談はいいんです。が、突然で、かつ【期待を込めて】こられると、実際よりも重めに感じたり…。 で…

まだまだ甘い

前回、コミュニケーションギャップについての悩みを書き、それに関連して、知り合いの、自治体勤務経験のある弁護士の方にちょっと相談してみていたのですが…。 うん、僕は甘かった。 まだまだ、できること、やれることはあった。 もちろん、今回相談した方…

コミュニケーション・ギャップ?

市役所に勤めて数カ月たって、気が付きました。 「行政マンと、法律家との間では、法律相談で法律家が『何が回答できるか』や、『法律相談の回答がどの程度のことを保証したものなのか』について、かなりコミュニケーション・ギャップがあるなあ…」 ときどき…

不安との向き合い方

やはり、「知らない」「新しい」、そして「責任が重い」仕事は、怖いですね。 そうした「怖さ」「不安」にきちんと向き合い、それをきちんと自分の中で「調べ」て「解消」していくことで、「不安」に耐えられるだけの「答え」を出していく。 それが本来の僕…

辞めるにあたっての気づき

幾度かこのブログでもお伝えした通り、僕自身は、現在勤めている名古屋市東部児童相談所を、令和4年3月一杯でやめることにしましたが…。 辞めると決めて日々職務を行っていると、あらためて気づかされることがあります。 組織の中で勤めている前提があると…

多職種連携の「夢」、その難しさ。

児童相談所で4年間を過ごして。 この4年間、児童福祉司のケースワークを少しでも理解しようと、書籍を読み、片端から記録を読み、他方で、児童福祉司に法律家の考えを伝えるべくメモを作り、少しでも考えを共有してもらえるよう話しかけ…。 そうして、4年…

ありがとうございました。

今日は、事務所泊まり込みで作業をしています。 そのおかげで、久々にパソコンに少し向かう時間ができました。 横浜で7年間、弁護士をやってみて。 いろいろなお客様と出会うことができました。 それぞれのお客様にどれだけのお返しができたのか…。 自分がお…

臨床心理士・カウンセラーの技法と弁護

他にも書き留めておきたいイベント等は降り積もっているのですが(そして時間が経ってしまって書くことをあきらめてしまうのですが),昨日弁護士会で聞いたお話について少し。 1 治療的司法 昨日は,弁護士会で「治療的司法」についてのお話がありました。…

ハートネットTV「発達障害者の再出発②司法から福祉へつなぐ」

高齢者・障害者の権利に関する委員会の先生が,MLで勧めておられたので,今日は早めに帰宅してこの番組を見ていました。 昨日までは,改正個人情報保護法の施行との関係で,対応しなければならない仕事があって余裕がありませんでしたが,今日は幸いにもそ…

「虐待の疑いのある乳幼児頭部外傷についての法的考察」(平成28年度専門実務研究:予定ですが;)

神奈川県弁護士会が毎年出している【専門実務研究】について、頒布を希望するかどうかを尋ねる問い合わせが、会員である我々弁護士に来ました。 専門実務研究は、神奈川県弁護士会に所属する弁護士が、研究会や委員会、個人等で研究・調査した論文などを投稿…

「子どもの権利に関する委員会」

先日は,「子どもの福祉部会」の上位組織である,「子どもの権利に関する委員会」に出席して,部会退会の希望などを伝えてきたのですが…。 これまで,「子どもの権利に関する委員会」を続けるかどうかは,ゆっくり考えてもいいと思っていたのですが,出てみ…

児童虐待対策分野から、離れることについて。

これまで、このブログでも「子どもの権利」関係の活動や書評を書いたこともありましたが、本日、神奈川県弁護士会で、児童相談所の来年度以降の嘱託・非常勤が一応決まったことを持って、私自身は、来年4月からは児童虐待対策を取り扱う、「子どもの福祉部会…

【士業連携】を考える-【暮らしと事業の何でも相談会】

最近,新しい法律や,判例について書いてきたこともあって,日常的なイベントもの等は書きづらくなっていたところもあるのですが…。 10月1日に藤沢商工会議所の「暮らしと事業の何でも相談会」に参加してきました。 1 藤沢商工会議所の取り組み 藤沢商工…

マイナンバーと裁判

…う~ん。。。。 この話題、書きたくなかったんですけどね…。 何の話題かというと、「マイナンバーの書かれた証拠書類を裁判に提出すること」の問題点についての話です。 なぜ書きたくなかったかというと、 ①どうみても、弁護士等法曹関係者しか関心を持たな…

Q&A宗教トラブル110番(書評)

1 とばし読みは… 結局,とばし読みはできませんでしたね。 今年に入ってから,「身近な方が宗教団体に入ってしまった」という相談をいくつか受けましたので,読むことにした本です。 Q&A 宗教トラブル110番〔第3版〕 | 法律書、実務書、書式なら民事法…

少年事件を巡って-弁護士と裁判官の視点-

ずいぶん,更新が滞りました。 本当は,「ぷらら」がブログサービスを終了するので,移転の準備もしなければならないのですが, がんばらないといけないですね…。 1 少年事件における,弁護士と裁判官の視点の違い これまで、刑事事件や少年事件について書…

原発被害者支援

今日は,福島の原発被害者を支援している,「福島原発被害者支援かながわ弁護団」の活動報告等を伺ってきました。 そうした弁護団は,以前から弁護士の参加を募集していたのですが,「私1人の事務所で,この弁護団に参加してしまうと,他の仕事がほとんど出…

「勝って兜の緒をしめよ」:事件から考える予防法務

1年くらいかけていた事件-会社から依頼されていたもの-について, 当方の勝訴的な解決にて終了することができました。 「勝って兜の緒を締めよ。」ということで,その最終報告書をいろいろと考えながら作成していましたが, 23時頃(昨日)完成させて,…

サプライ・チェーンにおけるCSR

本年度の、日本CSR普及協会の労働・環境チームのセミナーが近づいてきました。 このセミナーでは、新人の私は、もっぱら発表者の話を伺って勉強させて頂く立場ですが、やはり東京で企業法務に携わる先生方のお話は、興味深いお話が多く、また、裁判所の経験…