【天秤印】横浜弁護士雑記

横浜で弁護士をしている元裁判官が、日々感じたことなどを書いています。

「まぐろ師」

3月14日(木)は,この方にお話を伺ってきました。 「まぐろ師 石橋匡光」 いえ,料理人ではありません。でも,名刺にはこう書いてあるんです(^^;)。 石橋さんは「三浦市三崎」に本社を構え,マグロの卸売問屋を営む株式会社三崎恵水産の社長さんです。 株式会社三崎恵水産は,もともと,ホテルや料理店にマグロを卸す,卸業者だったのですが,石橋さんは,「もっとまぐろの魅力を地域の人に知ってもらいたい」という思いから,南区大岡のスーパーを居抜きで買い取って「めぐみ市場」というお店を開き,地域の人たちのコミュニティとなるための店作りや,買い物サービスをされているということでした。 2月23日の「家デイ」と同様,ソーシャルポートヨコハマの,今年度最後の企画です。 私が参加してみたのは,中小企業シンポジウムの題材として「ベンチャー」を考えることの,なにかアイデアを得られないかということが一つと, 「あれ?,横浜での買い物サービスって,どういうものなのだろう?。しかも水産業者さんがやるとなると?」という疑問からでした。 私自身,裁判所に勤めていた頃は成年後見や介護事故の事件を取り扱っていたこともあるため,4月からは横浜弁護士会の高齢者・障害者の権利に関する委員会に所属する予定です。 そのため,そうした問題についても日頃から関心はもっているつもりですが,「買い物サービス」というと,どちらかというともっと交通の便の悪い地域で展開されていたり,まさに介護事業者の方が中心に行っているようなイメージを持っていたのです。 お話を伺ってみると,石橋さんの「買い物サービス」は,地域の人の役に立ちたいというもさることながら,同時に「一人でも多くの人にまぐろの魅力を知ってほしい」という気持ちから出たものであることが分かりました。 石橋さんは言います。 「魚屋さんは,地域の人に魚の魅力を知ってもらい,地域の人はそうした魚屋さんを支えていく。そうした関係を作っていかないと,日本の魚食文化がなくなってしまう。」 至言だと思います。 どんなに良いことでも,あるいは良いことをしていたとしても, それを地域の人に知って,支持してもらわなければ,長く続けていくことは出来ません。 私が裁判所にいたころに裁判員裁判が始まりましたが, あれも,「裁判官が民間の多くの人からその常識的な感覚を教えてもらうとともに,民間の多くの人に裁判というものを知って,支えてもらうためのものだ」と思っています。 広島,横浜,札幌,福岡。 過去の勤務先では,北から南まで,ほぼ全国的にさまざまな日本の漁貝類に接してきました。 肉料理と異なり,昔から日本全土で食べられてきた魚料理には,日本の各土地ごとの,個性・文化が映されていると思います。 そうした食文化が,これからも受け継がれるようであってほしい。 石橋さんのチャレンジに,エールを送りたいと思いました。