【天秤印】横浜弁護士雑記

横浜で弁護士をしている元裁判官が、日々感じたことなどを書いています。

ライラックの物語―子どもの治療に寄り添う

お久しぶりです。随分更新を休んでいました。 この間、所属した民間団体の総会に出席してみたり、子どもの権利委員会のイベント(以前ブログで書かせていただいたWinkの新川さんたちをお招きしてのイベントです。)をやったりと、忙しく過ごしていましたが…。 6月15日(土)に「ミューザ川崎シンフォニーホール」で実に久しぶりにピアノの演奏を聞いてきました。 この演奏会(チャリティーコンサート)の存在、そして主催者の方にまつわる物語を知ったのは、このときを数日さかのぼる6月11日のことになります。 私が所属する横浜弁護士会子どもの権利委員会では、6月11日に、有志を募って「神奈川県立こども医療センター」に伺い、見学をさせてもらってきました。このセンターは、他のお医者様から紹介された難病のお子さんを治療するためのセンターで、神奈川県の小児がん拠点病院でもあります。 この見学が企画された際、先輩の弁護士から、「こども医療センターの近くには、『リラの家』という、遠くからセンターに入院することになるお子さんのご家族が宿泊できる施設がある。そこも見学に行ってみないか」というお誘いがあり、これもまた委員会の有志で見学させて頂くことになりました。この「リラの家」を運営している団体こそが、チャリティーコンサートを主催していた認定NPO法人スマイルオブキッズであり、その代表が田川尚登さんになります。 「リラの家」は、こども医療センターから歩いて5分ほど、名前の由来にもなったライラックの樹のある道の先にあります。この「家」を田川さんが作られたのは、こども医療センターに入院され、お亡くなりになられたお嬢様に寄り添われたご経験から、入院されたお子様方のご家族が泊まることのできる場所、その必要性を痛感されてのことだと伺いました。 当日は、ボランティアの方々が出迎えてくださり、綺麗な、そして思いやりに満ちた「家」の中を案内していただくことが出来ました。部屋の片隅には、こども医療センターに使われているのと同じステンドグラスがさりげなくはめ込まれ、一階の壁には、昔お子様の付添で泊まられたお母様方が針を通されたタペストリーが飾られていました。 そして、スケジュールには、利用予定のたくさんの方々のお名前と、当日手伝いに来てくれるたくさんのボランティアの方々のお名前が、びっしりと書き込まれていました。また、利用者ノートの中には、お子様が入院された不安や、お子様が治られたこととそれまでの感謝など、この家を利用された全国のお父様、お母様の気持ちがあふれていました。 田川さんとお嬢様との物語は、ちょっと涙を誘われてしまうところがあり、私自身が書くことには、ためらいを覚えます。そのお話は、毎日新聞「リラの5年物語」として連載され、いまも毎日新聞のこちらのサイトで目にすることができます。 チャリティーコンサートの際、「こども医療センター」総長の康井 制洋先生は、こども医療センターが小児がん拠点病院の指定を受けることが出来た背景の一つに、「リラの家」という、患者のご家族が宿泊できる施設の存在もあったことを話されていました。 田川さんとお嬢様との物語が、たくさんの協力者を生み、そしてたくさんのご家族を助けることにつながっていく。 日本にも、こうしたNPO活動がもっともっと増えていくと良いな、と思いますし、認定NPO法人スマイルオブキッズ-田川さんの物語がこれからも続いていくことを願っています。