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【天秤印】横浜弁護士雑記

横浜で弁護士をしている元裁判官が、日々感じたことなどを書いています。

ちょっと良い知らせ

だいぶ更新が滞っています。こればかりですね。

この週末は雪でしたが、事務所に出ずっぱりでした。

仕事がある平日はなかなか相談にお見えになれない会社や個人の方も、やはり多いですね。

自分だけが楽をするわけにもいなかないな、と気が引き締まります。

おかげさまで、相談に来られていた方のおひとりからは、

今日、少し良い知らせがありました。

ちょっとほっとしますね。

こうして、先の見えない中でも頑張っている人を見たり、その話を聞いたりすると、

昔読んだ本を思い出します。

藤沢周平「漆の実のみのる国」

10年位前に横浜地方裁判所で左陪席を務めていたころ、

部総括裁判官から「中野君、今どんな本を読んでいる?」と聞かれて、当時読んでいたこの本の名を挙げた覚えがあります。

そして「その本は面白いの?」という質問に対して、「安易な解決ではなく、なかなか先行きが見えない困難な状況でも、努力を続けていく姿勢がいいと思います。」と答えたような…。

あまりに当たり前の答えだったせいか、あるいは部総括の意図とずれていたせいか、その後、話題を変えられてしまいましたが(;)。

バブルが崩壊したころ、よく本が出ていた上杉鷹山について書かれています。

私にとっては、確か初めて読んだ藤沢作品だったと思いますが、今になってみると、藤沢作品の中では相当異色なものを最初に手にとったようです。

藤沢周平氏の作品は、爽快な読み応えのものが多いので、最後になっても爽快な解決・結論にたどりつかないところを残す「漆の実のみのる国」は他の作品と相当印象が異なります。

もっとも、私は、あまりに勧善懲悪で簡単な解決になってしまうと現実離れを感じてしまうので、この本はお気に入りの作品です。

困難な現実を認識しながらも、それでも理想を忘れないような。

文庫版のあとがきを読むと、もともとは藤沢周平自身が書きたかったのも、こうした方向性の作品だったのかな?、と思える記載がありました。

藤沢周平氏の作品は、爽快な読み応えのものが多いので、時々手は出しますが、お気に入りになっているのはこの本くらいかもしれません。

個人的には、時代小説のジャンルでは、藤沢周平氏の作品より乙川優三郎氏の作品のほうが、好みに合うことが多いと感じています。

お二人の作風の違いは、比較的似たコンセプトの「蝉しぐれ」(藤沢周平)と、「喜知次」(乙川優三郎)を読み比べると、よくわかると思います。

時間が許せば、読んでみてはいかがでしょうか?

一生懸命頑張っている方々に来ていただき、一緒に頑張っていける

頑張る人を増やしていける

そんな事務所でありたいと思います。

…いや、もっと頑張らないと。