【天秤印】横浜弁護士雑記

横浜で弁護士をしている元裁判官が、日々感じたことなどを書いています。

母子保健:さいたまの取り組みを伺って(父子手帳と産後うつのパンフレットなど)

1 「母子保健」のお話

 日曜日に,さいたまの母子保健の話を伺う機会がありました。

 裁判所,という役所にいて,児童相談所は多少なりとも関わりを持つことがあったのですが,保健師,あるいは精神保健福祉士社会保険福祉士といった方々は,児童福祉や高齢者福祉に非常に重要な役割を果たされていることは知っていても,実際にお会いする機会はあまりなく,どういった仕事をされているのか知ることが難しかった方々です。

 ですので,そうした方々がどのような活動をしているのか,お聞きできるのはうれしかったですね。
 児童虐待等の問題に関わると,やはり,こうした問題は早いうちから「そうした問題が起こらないように」働きかけたほうが,少ない労力で大きな結果に結びつくのでは?,と思っています。そのため,この問題をある程度かじった立場からすると,実は「保健」の分野の取り組みが最も重要ではないか,という気もしています。

2 やっぱりあった「父子手帳」

 今回,面白かった,というか「やっぱり」と思ったのは,「父子手帳」でしょうか。
 埼玉では,「父子手帳」を作って,配っているそうです。
 母子手帳は,少年非行などがあったときの家庭裁判所調査官の調査において,その子が生まれたときのことを知るため,あるいは,お母さんにその時のことを思い出してもらうために,お母さんに持ってきてもらうことも多いものです。

 私なども少年事件の付添人になったときには,同じようにお母さんに持ってきてもらい,話を伺っていました。

 そして,今年AHTの論文を書いたときに「揺さぶられ症候群(SBS)」についての注意書きが「母子手帳」にあることも知り,そのすごさに感心しました。

 他方で。
 「何で『母子』だけで,『父子』はないんだろう?。赤ちゃんが泣き止まなくて困ってしまうのはお父さんも々だと思うし,そういうことはお父さんが知っていてもいいのじゃないかな…?」と思い,「父子手帳」が何故ないかが疑問だったので,今回のさいたまの「父子手帳」は,我が意を得たりというか,「やっぱりあった!」と思いました。
 早速,インターネットで検索したところ,見つかりました。 

http://www.city.saitama.jp/003/001/012/p022335_d/fil/hushitecho.pdf

 柔らかい色のイラストなどが使われていて,見やすくていいと思います。

 個人的には,「手帳のような文字が一杯書かれたものを渡して読んで貰えるだろうか…」と思っていたところもあるので,「母子手帳アプリ」とか「父子手帳アプリ」なども,つくってみてもよいのじゃないかと思ったりもします。
 子どもの写真を貼り付ける欄があったり,スマートフォンで検温できる機能があったり(あれ?,未来に進みすぎですかね??)したら,なんか,使って貰える人も多くならないかな…なんてことを思ってしまうのですが。どうでしょうね?。

3 SBSや「産後うつ」のパンフレットも

 また,埼玉では,SBSや,産後後うつ予防のパンフレットも配布いているようです。
 SBSは,日本小児科学会のパンフレットかなと思いますが,産後うつ予防のパンフレットは,さいたま市で作られたもののようです。
 これみたいですね…。

 こうしたものが,少しでも助けになるといいな,と思います。
 そのほか,「子育て世代包括支援センター」の話も出てきました。
 調べてみると,今年の4月に,ガイドラインも発表されているんですね。

 必要な支援を受けられるように,窓口を一本化してそこから各機関に繋ぐという点などは「法テラス」などと似た発想にも感じますが,それにとどまらず各機関の情報を集約できることはちょっと期待してしまいます。
 もっとも,そのためには労力も必要になりますし,児童相談所の役割との関係などもあると思いますので,実際のところどのような感じになるのかは,なかなかイメージできないのですが…。
 
 いまは,児童虐待関係の仕事に就いているわけではないので,こうした知識は必須のものではないのですが,もともと知りたかった分野の話ですし,「社会のなりたち」として他の制度にも関係してくるように思いますので。

 ちょこっと書き留めておくことにしました。

※ なんてことをいっていたら、「母子手帳アプリ」なるものが、結構あちらこちらのサイトにあることに気が付きました。

 どれがいいのかは全くわかりませんが、NTTドコモなどが開発に関わっているという、これが主なものなのでしょうか?。 

www.boshi-techo.com

 …う~ん。時代に置いて行かれていますね…。

 また、「父子手帳」は、こちらのサイトなどで見ると、30パーセントくらいの自治体で配布されているようですね。 

父子手帳調査報告書(全国都道府県版) - 論文・レポート

 実際に、読んでいただけているのかどうかとか、そのほか問い合わせが増えたか、受診が増えたかなど、わかるといいのですが、それはさすがにわからない…ですよね…。う~ん。。。。

(いえ、また調べてみたら、どこかに調査結果が載っているかもしれませんが^^;) 

※ 神奈川県も、母子手帳アプリを導入しているようです。

www.pref.kanagawa.jp

  でも、神奈川県には、横浜市は含まれていないみたいです…;。

 まあ、扱う情報はどこまでかわかりませんが、もしかしたら要配慮個人情報も含むのかもしれませんし、情報セキュリティの問題や、システム的な整備等が必要なのだろうと、と思います。費用をかけて導入しても、あまり利用していただけないと悲しいでしょうし。

 あとは、どれだけ利用してもらえるかが、まだ分からないということもあるからかもしれません。

 今後の推移をまた見てみたいな、と思います。