【天秤印】名古屋・横浜弁護士雑記

現在名古屋市に勤めている元裁判官が、日々感じたことなどを書いています。

病院内こども虐待対応組織 構築・機能評価・連携ガイド・運営マニュアル【書(?)評】

 これも少し前に読み終わったものですが,少しだけ書いておこうかと思います。
 巻末の記載によると,厚生労働科学研究費による報告書を,再編成した物のようですね。
 多分,ワークショップシンポジウム「防げる死から子どもを守るために」に参加したときに,「ご希望の方はどうぞ」,と言われて,もらってきたのだろうと思うのですが…。
 「ただの弁護士」が貰ってしまうとは思われていなかったと思うので(おそらくは,お医者様や自治体関係者向けだったのだと思います。),申し訳なかったかもしれません。でも,とても勉強になりました。

 内容は公表されているものです。上記の研究の報告書そのものも公表されていますし,このダイジェスト版も,前半は,「医療機関ならびに行政機関のための病院内子ども虐待対応組織構築・機能評価・連携ガイド」として厚生労働省で,
後半は,「子ども虐待対応院内組織運営マニュアル」として日本子ども虐待防止医学会で,
それぞれ公表されています。

 前半は,医療圏・ネットワークも念頭に置いたCPT構築についての記載があったほか,各病院が行っている実践例についての「TIPS」のなかに,単なる理屈にとどまらない,いろいろな悩みや,工夫があり,非常に勉強になりました。
 また,後半については,【子ども虐待対応の手引き】と比べても,簡潔にポイントがまとまっていて,医療現場での使いやすさを考えると,こちらの方がわかりやすいかもしれないと思いました。
 今ひとつ医学的な知識について,インターネットだけでは補足できない箇所もあったので,またいつか医学文献を調べに行ってみたい気もしますね。

 こうしたことを勉強する必要があるのか?,といわれると困ってしまいますが,私自身いろいろな社会のしくみ・成り立ちを「知りたい」から法律家を志した所もありますし。
 また,実際に交渉やファシリテーションなどにおいても,「相手の事情を知る」ことが物事を円滑に進めることになることもあります。
 それに,事情を知っていた方が,判決などを書く場合にも,裁判で主張を行う場合にも,説得力がありますので…。

 しかしなあ…入手した文献は読まないと積まれるままで場所を取ってしまうし読んでしまうと理解・活用するために読むべきさらなる文献が出てくるあたりが…。なかなか際限がないですね…;。