先週のことになりますが,この本を読み終わりました。
この本は,外国(ニュージーランドとオーストラリア)と日本の,子ども虐待問題に関わるソーシャル・ワーカーの先生方が書かれたもので,親子の間に何らかの「溝」があるものの,それを親や子自身でも認識できなかったり,あるいは相手に上手く伝えられない場合に,ソーシャルワーカーが介在して親子間のコミュニケーションを図る方法を紹介したものです。
非常に気づきのある面白い本ですが,二点注意がいるかな,と感じたところもあります。
1つは,はしがきに「ここまでするのかと思うようなしつこさで」と書かれているように,子どもや親,そしてその周囲の人とのコミュニケーションの進め方について,その流れに沿って細かく説明されており,重複する説明部分が複数回出てきます。
そのため,読み進めることに根気はいりますし,おそらく,親子のコミュニケーションの仲立ちするような作業を実際に行ったことがある読み手でないと,なぜこれほど同じことが重複して書かれているのかがわからず,筆者の意図が伝わらないかもしれない,と思います(その意味では読み手を選ぶでしょうか…)。
もう1つは,この本で挙げられている「会話例」のなかには,日本の児童相談所が関与する具体的場面によっては,会話例通りのことを発言してしまうことが必ずしも適切とはいえない場面もあるように感じることでしょうか。
この本は,一つ一つのポイントや言い回しを暗記するのではなく,「なぜそういったコミュニケーションの取り方をしたほうがよいのか」の理由・根拠を理解し,具体的な場面に応じて適切なコミュニケーションを使い分けることで,初めて「活きる」本に思われます。
とはいえ,以前にも書いたとおり,親子支援の方法については私自身知りたかったことなので,その一端を記したこうした書籍に会えたことはうれしく思いました。
こうした仕事に関わられる方であれば,おすすめです。
<追伸・近況>
さて,まだサインズ・オブ・セーフティの本なども2冊ほど購入済みなのですが,このことろはさすがに余裕が無くなってきました。
ここ何日間は,弁護士会の登録換の手続きや,名古屋での生活拠点を探すために,名古屋にも何度か行ってきました。
事務所の整理もまだですし,今後研修なども有りますし,申し訳ないながら,弁護士会の委員会などについては,今後は出席を見合わせざるを得ないことが多いかと思います。
申し訳ありません。