【天秤印】春日井弁護士雑記(旧名古屋・横浜弁護士雑記)

現在春日井市に勤めている元裁判官現弁護士が、日々感じたことなどを書いています。

アレルギー大学実践研修(初級)に行ってみました。

 ずいぶん記載が滞ってしまいましたが、6月30日は、アレルギー大学の実践研修「コンタミネーションを防止する作業手順」を受けてきました。

 コンタミネーション(contamination)というのは、「混入」を意味しますが、食物アレルギーの関係では、本来アレルゲンをふくまない食べ物に、加工や調理の過程でアレルゲンが混ざり込んでしまうことを言うのだろうと思います(違っていたらすみません)。

 「食品表示」の場面では、加工食品を作るときに、工場の機械(ベルトコンベアなど)で他の製品も作ることなどにより、アレルゲンが混入してしまうことを言いますが、この日に学ぶコンタミネーションの防止は、調理、配膳の手順の中でそうしたことが生じないか(卵スープをすくったお玉で、アレルギー児の食事の盛り付けをしてしまったり、卵の殻を割ったときに、卵の飛沫がアレルギー児用の食事に入ってしまうなど)ということなのだということは分かっていました。

 …テキストである「新 食物アレルギーの基礎と対応」は、一応先日通読しましたので。

 

 研修の冒頭では、保育園で勤務された経験のある講師の先生から、現場での経験をお話しいただいたのですが、およそ150名ほどの食事を、調理師2名で作り、しかも、そのなかにアレルギー対応を要する児童もいる、という状況には、驚くしかありませんでした。

 コンタミネーションの防止は、話を読む(あるいは本を読む)分には、単純なことに思えるのですが、グループで、実際に、一般食とアレルギー対応食を、複数名分ずつ作ってみると、その大変さがよくわかりました。

 ほぼまったく初対面のグループ。お互いに、相手がその調理をするのにどんな手間がかかってしまうかわからない。そのため、どうしても「見切り発車」で調理に取り掛かる形になってしまいます。しかも、一旦作り始めてしまうと、それぞれ自分の作る製品で手いっぱいになってしまい、下手に他の人間が口を出せないというところも、難しかったです。

 本当は、一度一般食だけを緻密にログを残しながら作ってみて、そのログを基に、アレルギー食の手順をどう組み込むかを考えると、もっとうまくいくのかもしれないと思いました。

 僕の所属しているグループがなんとかなったのは、リーダー(保育園の勤務経験のあるかたでした)が行った当初の担当分けが非常に良かった(調理に不慣れな僕と、全体を見渡す必要のあるリーダーを、一番最後に作成すると思われた「汁物」の担当にした)おかげです。リーダーは常に必要な指示や様々な相談への対応、手伝いに対応することができ、僕は僕で、完成品・半製品を片端からラップで覆い、「分離」「印付け」に注力することができましたので…。

  また、休み時間に、実際にアレルギーのお子さんを持った経験のある方から、子どもに対して単に過保護にすればいいわけではなく、その子どもが「食べてよいかどうか」「どうすればよいか」を自分で判断できるよう、自立できるようにしていくことが大切、という話を伺い、とても考えさせられました。

 実際に、そうしたお子さんを持った方々に比べれば、こうした研修で僕が学べることなど、本当にたかが知れているのだろうと思うのですが…。