8月31日は、アレルギー大学の実習、「アレルギーっ子の災害対策」に参加してきました。
実のところ、参加する前には、「今回は、それほど受講する必要はないかもしれない…」とも思っていました。平成31年3月10日の「第3回小児アレルギーを学ぶセミナー~アレルギーの基本から災害の備えまで~」で、宮城県立こども病院の三浦克志先生の「災害からアレルギー児と自分たちを守る」という講義を受けたことがあり、東日本大震災の経験を基にしたお話…アレルギー児に必要な物資の提供が途絶えたこと、外部から物資提供を行おうとしてもアレルギー児の知識・情報をもって仕分けしてくれる部署がなかったこと…を聞いたことがあったからでした。
たぶん、同じような内容かな、と思いつつ、それにしては「講義」ではなく「実習」で、かつ、会場が「国際調理師専門学校名駅校」、必要な持ち物が「エプロン、三角巾…」という通知に、ちょっと首をかしげていました…。
いや、これは受けておいてよかったと思いますし、受けた方が良いです。本当に。
なぜなら、実際に(被災地現地に入ったというような仮定で)果たしてアレルギー児に配慮した炊き出しを行えるか、という「炊き出しの実習」だったためです。
調理条件は以下の通り。
1、水は2Lのみ使用可。
2、コンロ二つ、鍋2つ使用可。
3、食器・調理器具は洗えない。
4、ラップ・ホイル・キッチンペーパー・クッキングシート・ポリエチレン手袋・アルコール消毒薬は使用可。
はじめこの条件を見た時点でも、お恥ずかしいことに「どれだけ難しいか」がすぐには理解できなかったのですが…。
野菜を洗うにも、水の使用に限りがある。調理器具は洗えないし、フライパンも使えない。そして何より、ゆでたジャガイモをつぶしたくても、水が足りなくて冷ますことができず、つぶすにつぶせない(想定外でしたね…水が使えるって、便利なんだなぁ…ということが分かりました…)。
調理をしていくうち、そうしたことで、どれだけ作るメニューに制限がかかるかがやっと(身に染みて)わかってきました。
また、被災時は、ごみの収集がされるわけでもないので、「できるだけごみを出さない」という要請もあり、これも地味に効いてくるものでした。
この調理条件の上で、7大アレルゲン(卵、乳、小麦、そば、えび、かに、落花生)を使用しないようにする。材料もあるもので作る。特に主菜のたんぱく質は、各種缶詰のうち一種が、抽選で指定されるという方法。
そして、わが班は、見事「大豆の水煮缶」を引き当てます…。
大豆の水煮で主菜…。すでにこの辺で僕個人の対処能力を超えたような気もします。
同じ班の皆さんの力があって、何とかなりましたが…。
僕は、ほぼもっぱら、力仕事(ゆでたジャガイモをつぶしたり)とか、他班の偵察?(他班がアルミホイルで(ふたのなかった)鍋にふたをしていたのを見て、それをうちもやろう、とか、アルミホイルでジャガイモの皮をむく方法をみて、あそこもああやってる、とか…)で、多少なりともお役に立てた…のかはわかりませんが…。
う~ん、これを一度経験すると、アレルギーのお子さんのいるご家庭では、災害に備えて「自助」を用意したほうがいいことも非常に納得がいくし、また、炊き出しを実施する側としても、いきなり災害時に「アレルギーの子がいるから対応してほしい」と言われても難しいだろうなあ(もっと前に言っておいてほしいだろうなあ)、ということが、よくわかります。
やっぱり、知識として知っているのと、実習でやってみるのは、全然違いますね…。