【天秤印】春日井弁護士雑記(旧名古屋・横浜弁護士雑記)

現在春日井市に勤めている元裁判官現弁護士が、日々感じたことなどを書いています。

2015-01-01から1年間の記事一覧

【続】ドメスティックバイオレンス(DV),児童虐待等の被害者と,「マイナンバー」

1 以前ブログで 以前、このブログで以下のような題材を取り上げました。 <a href="http://yokohamabalance.hatenablog.com/entry/2015/05/02/180604" data-mce-href="http://yokohamabalance.hatenablog.com/entry/2015/05/02/180604">ドメスティック…

社会的養護児童のアセスメント【書評】

前回から,また時間が空いてしまいました。 この間,国選事件をやり,労働審判の初動を2件(労働者側1,経営者側1)抱え,弁護士会内の研修会でマイナンバー法と個人情報保護法の改正動向を紹介し,マイナンバー法の説明用パンフレットの原稿を考えるなど…

「反省させると犯罪者になります」(書評)

1 すすめられない? 先日書いた「こどもセンターてんぽ」のイベントなどを通じて、自分の付添人活動のやり方を振り返ってみたかったこともあり、この本を読んでみました。 <a href="https://www.shinchosha.co.jp/book/610520/" data-mce-hr…

「非行と福祉」子どもセンター「てんぽ」8周年記念イベント

1 感化教育ということ 少し前になりますが、5月16日には、子どもセンター「てんぽ」の8周年記念イベントである「非行と福祉」を聞いてきました。 長年自立援助ホームを運営してこられた方を招いて、その経験をお伺いした企画です。話の中で印象に残った…

養子縁組と相続のお話

法律相談を受けていると、ときどき、養子縁組と相続について聞かれることがあります。 今回は、それについて書いてみたいと思います。 1 養子縁組とは? 養子縁組というのは、分かり易く言うと、実際には親子関係がない二人(「養親」と「養子」)の間で、…

情報セキュリティ管理の法務と実務(書評)

ゴールデンウィーク中は、仕事などもしていたので、読み込めた本は1冊だけでした。 <a href="http://store.kinzai.jp/book/12405.html" data-mce-href="http://store.kinzai.jp/book/12405.html">情報セキュリティ管理の法務と実務|きんざいストア&lt…

ドメスティックバイオレンス(DV),児童虐待等の被害者と,「マイナンバー」

1 マイナンバーって? マイナンバー社会保障・税番号制度の一部分の施行期日が、平成27年10月1日と、迫ってきました。 マイナンバーは,社会保障と税の分野などの,行政手続きにおける添付書類(戸籍や住民票など)の削減などに役立つといわれています。 具…

いじめで人が亡くなられたとき(横浜弁護士会専門実務研究発刊にも関連して)

1 大津事件の市側との和解 以前、このブログでも触れていた大津事件に関して、裁判において、ご遺族と市側との間の和解が成立されたようです。 大津いじめ和解:父親「被害者救済に意義」 - 毎日新聞 こうした事件は、当事者にとって、和解などの形で「区切…

研修会「相続税法の基礎知識」

少し前になりますが、1月8日に、横浜弁護士会の遺言相続お悩みダイヤル相談担当者向けの研修である、「相続税法の基礎知識」を受けてみました。税理士の馬淵輝之先生が講師になって下さったものです。今ホームページを拝見すると、企業の税務もやられてい…

脳脊髄液こぼれ話その2(ガドリニウム造影とブラッドパッチ)

1 関心を持った経緯 「脳脊髄液減少症」。これが世界的に注目を集めたのは、アメリカのMokri教授が「ガドリニウム造影」による頭部MRIで、侵襲性が高い検査を行わずに判別する診断法を生み出したからのようです。 脳脊髄液減少症の事件を担当したことは…

「戦略的な就業規則改定への実務」(書評)

「戦略的な就業規則改定への実務」(浅井隆著:労働開発研究会)を読み終わりました。 昨年、安倍首相もこのような発言をしていましたし、その後は日立の記事なども出ていましたね。それで買ったり、読んだりしたわけではないのですが…。 1 購入の動機 「就…

脳脊髄液こぼれ話その1-ブラッドパッチ-(あるいは書評「脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の理論と実務」)

毎年,所属している研究会・委員会の関係で,横浜弁護士会の専門実務研究に論文を書いていますが,今年は,いじめによる自死後の調査・報告義務について大津の事件を端緒にまとめてみたものと,横浜地裁判決を契機に交通事故損害賠償研究会で行ってきた脳脊…