【天秤印】春日井弁護士雑記(旧名古屋・横浜弁護士雑記)

現在春日井市に勤めている元裁判官現弁護士が、日々感じたことなどを書いています。

マイナンバー法の動向

 今日、新聞にこんな記事が掲載されました。

www.nikkei.com

 これを見ると、年金番号とのひも付けを延期するということの様で、それ自体はありがたいと思うのですが…。

 結局、国民年金や厚生年金関係の書類は、番号が必要でなくなるのか、それとも、情報連携されないだけで個人番号は記載しないといけないのかが、よく判りません。

 民間企業や、社会保険労務士の方々にとっては、そこが重要だと思うので、明らかにしていただけると助かるのですが…。その後、聞いたところによると、健康保険や厚生年金保険の書式だけは、もともと「平成29年1月1日から施行予定」(「社会保障番号・税番制度の導入に向けて(社会保障分野)~事業主の皆様へ~」5頁参照)だったために特に遅れることはなく、またそのほかの書式への記載時期にも変更はないようです。

  また、上の記事では、「今国会に提出中のマイナンバー法改正案」を巡っての修正で、法案も成立見通しというようなことが書かれているのですが、そもそも提出されているマイナンバー法改正案に入ってた「預金への付番」は、結局どうなるのか…。

 

 他方で、以前書いたブログでも触れた、労災関係の請求に関すると思われる命令の改正案について、昨日パブリックコメントが募集されていました。

search.e-gov.go.jp

 延期されるはずの年金関係も、ばっちり入っている気がします。

 

 一体、マイナンバーはどこへ行ってしまうのでしょう?。

 法律案として可決されている以上、施行されればそれに従った方がよいと個人的に考えていることは、以前書いた通りです。

 他方で、そもそもリスクはある上、現場の準備が追い付いているか疑問が残るところもありますので、実施が延期されるならそれに越したこともないかと思っています。

 とはいえ、直前まで、何が実施されて何が実施されないのか、混乱したまま施行期日に入っていくのはちょっと…。 

 結局、新聞記事で書かれていた改正内容が平成28年1月からの対応に影響するのかしないのか、他の方々に説明ができないので、改正内容が早く明らかになってほしいと思っています…。

※ 年金情報漏洩事件の調査報告書も公開されましたね。また、余力ができたら、見てみたいと思っています。

※ 8月24日 公的な資料での言及は見つけられませんでしたが、こちらの産経新聞の記事などを見る限り、どうやら、「年金機構が登録者全員についてマイナンバーとの紐付を行って、他の行政機関から照会があった場合に回答することができたり、他の行政機関に問い合わせたりする」いわゆる「情報連携システム」の実施が先延ばしになるだけのようにも見受けられます。

 公的な資料への記載がないと、各新聞の記載が正確かどうか、裏を取ることが難しい状態ですので、今後、また情報に注意していきたいと思います。

※ 8月28日 改正された内容について、聞いたところを赤字で補足しました。

 また、マイナンバー法の改正案が、参議院の「内閣委員会」で可決されたようです。

内閣委員会経過:参議院

個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案:参議院

 今後参議院の本会議にかかるのだろうと思います(以下のニュースも参照)。

www3.nhk.or.jp