【天秤印】名古屋・横浜弁護士雑記

現在名古屋市に勤めている元裁判官が、日々感じたことなどを書いています。

【ぱあとなあ神奈川研修】第三者後見人による事例検討会

 

 10月20日には、ぱあとなあ神奈川の研修会に参加してきました。

 …いえ、「はあとなあ」は、家庭裁判所成年後見人候補者の名簿を提出している社会福祉士会の組織なのですが、「どうせなら他職種も参加しませんか?」とお誘いが弁護士会にあったものです。

 

1 社会福祉士って?

 

 社会福祉士は、「福祉に関する相談援助の専門職」です。

 成年後見の際に選任される専門職後見人の中では、「身上監護」面での課題があるときなどに選任されることが多いようです赤沼康弘他「Q&A成年後見実務全書第1巻」p259(民事法研究会))。

 成年後見以外の場面でも、弁護士として活動していると、障害のある方の刑事弁護の際に、その方の支援計画作成に協力していただくこともありますし(いえ、私はまだ経験がないのですが…)、病院におけるメディカルソーシャルワーカー(MSW)、学校におけるスクールソーシャルワーカー(SSW)など、弁護士として相談を受ける件の中でご一緒させていただいたり、お話しさせていただくことも多い方々です。

 とはいえ、実際のところどういった活動をするのかは、SSWの研修会等に参加したこともある私も、実は良くはわかっていません。

単に「福祉に関する相談援助」というばかりではなく、いわば「社会としてのつながりが薄くなってしまった現代」において、「社会とのつながりが弱くなってしまった人を、うまく社会と結びつける仕事をされている」というのが、個人的な印象でしょうか…。

 あくまで「個人的な印象」ですので、違うかもしれませんし、社会福祉士にもそれぞれ「得意分野・取扱分野」「向き不向き」があるのだろうと思うので、ひとくくりにとらえてしまってよいものかは、わからないのですが…。

2 多職種連携

 

 研修会では、社会福祉士のみならず、弁護士、司法書士行政書士など、さまざまな多職種が参加していて、いろいろな観点からの発言があり、とても有意義でした。

 法的な問題点や、事案の整理といった点では、弁護士が本来得意とするところですが、社会福祉士の先生方は、そういったものにとらわれない発想―被援助者とその周辺者や、行政をつないだり、巻き込んだりして「より良い方向」に持っていく―ということに長けている印象を持ちました。

 その話を聞くだけでも、後見人を勤めるときの「発想の幅」は確実に広がると思います。いえ、勉強しなきゃいけないかな?、と思う内容もつられて広がっていってしまうんですが…;。

 成年後見制度利用促進基本計画で示された、「地域連携ネットワーク」というものも、そうした「多職種連携」を想定していますし、今後さまざまな社会問題に対応するために、確実に必要になっていくことだと思いますので…。

 実際に社会福祉士と意見を交わす、こうした機会に、もっと弁護士もたくさん参加していくといいな、と思います。

cf.なお、私は研修会の席上で、「個人情報の開示制度」を利用する意見を述べさせていただいたのですが、この制度は、被後見人がお亡くなりになってしまわれると、「元」後見人は使えなくなってしまいます(後見人でなくなってしまいますので…)。

 その点、もう一言説明しておけばよかったかな、と反省しました(こうして話が長くなっていくんですが…)。