児童相談所で4年間を過ごして。
この4年間、児童福祉司のケースワークを少しでも理解しようと、書籍を読み、片端から記録を読み、他方で、児童福祉司に法律家の考えを伝えるべくメモを作り、少しでも考えを共有してもらえるよう話しかけ…。
そうして、4年間を過ごしてきて、思うことは…。
「自分(司法関係者)の見ている世界(危険・不安等)を、他人(福祉関係者・児童福祉司)に理解してもらうのは、想像以上に大変だなあ…」
ということですね…。
それぞれの児童相談所のトップの考えにもよりますが、常勤弁護士を「上位者」と位置づけ、その「業務指示」に児童福祉司が従うようにすれば、法律的なリスクを減少させた運営はできるのでしょう。知る限り、いくつかの児童相談所では、常勤弁護士が「ラインの上司」としての「管理職」として機能しているようです。
しかし、それだけだと児童福祉司が「良い」と思っていること、その「強み」が、弁護士側に伝えられず、あるいは、十分に話し合われることがなく、それが活かせなくなってしまう恐れがあるのではないかなあ…。
そう思って、この4年間は、なんとか「対話」によって、法律家である自分の目に映る世界・危険・不安を、児童福祉司等に「理解」し、「共有」してもらい、そのうえでどうしたらいいか話し合おうとしてきたつもりでした。
そうですね、僕は、常勤弁護士として自分が感じる「怖さ」「不安」を、他の職員にも理解し、共有して、一緒に悩んでもらいたかったのかもしれません。
しかし…
上位者から「業務指示」ではないと、重視されない、無視されてしまうことも多々あります。というか、なかなか理解してもらえないのか、その児童福祉司が重視する「優先順位」の中に入れてもらえないことも多かったですね…。
想像以上に、難しい「夢」なのかもしれません。
現在の職場は、思うところがあり、辞めることを決断することとなりましたが…。
それでも、もし、再び児童相談所に関われる機会をいただくことができたら、一歩一歩スモールステップで再チャレンジをしてみたい。
そう思っています。
追記:この記載だと、部下を持たない管理職の難しさや悩みが理解されないかもしれないな、と思い2月18日にそれについて「続」を書いたのですが、読み返してみると一般論を超える内容ではなく、蛇足に思われたので、2月21日に削除しました。