これも、最近読んだ本です。
以前、「トラウマセラピー・ケースブック」を読んだ際に、学説・立場によって「トラウマ」というものの理解が異なっていることが分かりにくかったので、たとえば「ここまで分かってきたトラウマ」のような、「トラウマ」について詳しく書かれた本がないかと思い、支援団体の方に「トラウマ」について詳しく書いた本がないか伺った際に、勧めていただいた本です。
表紙を含めた挿絵や、「赤ずきん」と「オオカミ」の物語(童話ではありません)に従って説明していく内容のおかげで、取り扱っているテーマが重いものである割には、その重さを少しやわらげて、読みやすくなっているのではないかと思います。
この本に出てくる「オオカミ」は、動物の「オオカミ」ではなく、過去につらい体験があったため、人(赤ずきん)を傷つけるようになってしまった人のことです。
内容としては、主にトラウマを受けられたご本人向けに、トラウマを受けると、どういうことが、なぜ起きるのか、それに対して、自分はどうしたらいいか、といったことが、(おそらく持続エクスポージャー療法におけるトラウマ理解の立場から)比較的わかりやすく書かれています。「比較的わかりやすく」という表現をしたのは、やはり、子どもには少し難しい内容が残っているように思うためです。
こうした本を、実際に読んで、どれだけの効果があるのか、どんな人にこの本が向いているのかは、素人である僕にはわかりません。でも、こうした本を読むことで、少しでも「生きづらさ」が「楽」になる人がいるのであればいいな、と思います。