【天秤印】横浜弁護士雑記

横浜で弁護士をしている元裁判官が、日々感じたことなどを書いています。

マイナンバー法の動向

今日、新聞にこんな記事が掲載されました。 <a href="http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H46_Q5A820C1MM8000/" data-mce-href="http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H46_Q5A820C1MM8000/">マイナンバーと…

マイナンバーと人事労務(その5:会社と従業員の立ち位置)

おおむね,人事労務の各場面でマイナンバーが問題になるのは,こういったところかな,と思います。 最後に,これまでから分かるマイナンバー法の特徴について触れた上で,マイナンバー法における「会社」と「従業員」の立ち位置について,思うところを書いて…

マイナンバーと人事労務(その4:出向・転籍)

なんだか、少し間が空きましたが、人事労務の話に戻ろうかな、と思います。 もっとも、そろそろ書くことも無くなってきたのですが。 第1回は、前から在職していた労働者の関係、第2回と第3回はこれから働く労働者の話でしたので… 今回は、在職とこれから…

後見人とマイナンバー

突然ですが、前回のブログでもふれた総務省のホームページ 総務省|マイナンバー制度と個人番号カード|東日本大震災による被災者、 DV・ストーカー行為等・児童虐待等の被害者、 一人暮らしで長期間医療機関・施設に入院・入所されている方へ に関連して、…

【続続】ドメスティックバイオレンス(DV),児童虐待等の被害者と,「マイナンバー」

表題の事柄については、これまで2度にわたり書いてきたところですが…。 <a href="http://yokohamabalance.hatenablog.com/entry/2015/05/02/180604" data-mce-href="http://yokohamabalance.hatenablog.com/entry/2015/05/02/180604">ドメスティックバ…

マイナンバーと人事労務(その3:派遣)

前回(その2)は、事業主と、事業主に雇用される人の関係について書きましたが… 事業主に雇用されない派遣労働者の場合はどうなのか、書いてみようと思います。 1 派遣労働者の契約関係 派遣労働者、というのは派遣会社(派遣元)に雇用されながら、他の会…

平成27年度「こころの支援セミナー」(神奈川県精神保健福祉協会)

「マイナンバーは?」と思われていた方がいらっしゃいましたらすみません。 本日、神奈川県精神保健福祉協会の主催する、上記セミナーに参加してきましたので、その雑感などを。 1 こころの支援セミナーって?。 学校関係者や、子どもに隣接する職種を対象…

マイナンバーと人事労務(その2:内定)

1 これから勤める人と、マイナンバー さて、前回その1で書いたのは、どちらかというとマイナンバー導入前から勤めていた従業員と、事業主のことになりますが…。 では、「これから勤める人」と事業主との関係はどうでしょうか?。 あるいは前回の話を見て、…

マイナンバーと人事労務(その1:不提供と懲戒)

1 労働者が事業主にマイナンバーを提供しなかったら? 7月21日には,神奈川県社会保険労務士会横浜南支部で「マイナンバー法のポイント」を講義してきました。 マイナンバーは,【税】とともに【社会保障】分野において適用されるものですので,むしろ従…

弁護士と裁判官の距離…「われ判事の職にあり」

1 法律ができた後 先日、すでに成立している法律のことで、他の弁護士の方々とメールのやりとりをして、気が付いたことがありました。 私自身は、「法律ができた以上は、それに従わないといけないし、それに従ったった運用を考えないといけない」という思い…

女子高生の裏社会(書評)

1 参加しなかった研修会 6月末に,かながわ子ども・若者総合相談センターが行う「関係性の貧困~居場所を求める子どもたち」という表題の相談員研修がありました。 当日,少し風邪気味だったのですが,子どもを取り巻く問題について話を伺うことで元気を分…

Q&A宗教トラブル110番(書評)

1 とばし読みは… 結局,とばし読みはできませんでしたね。 今年に入ってから,「身近な方が宗教団体に入ってしまった」という相談をいくつか受けましたので,読むことにした本です。 Q&A 宗教トラブル110番〔第3版〕 | 法律書、実務書、書式なら民事法…

プロフェッショナルの情報術(喜多あおい著:祥伝社)

1 弁護士は、裁判官より情報収集が必要? ここ数日の通勤時間で、この本を読みました。 「プロフェッショナルの情報術」喜多あおい著、祥伝社 弁護士になった際、「情報収集の力も身につけないとなあ」と思い買った本です。 いざ弁護士になってみると、もと…

「手ごわい問題は、対話で解決する」アダム・カヘン著(書評)

「手ごわい問題は、対話で解決する」アダム・カヘン著。株式会社ヒューマンバリュー 1 【あとがき】を読むと… あとがきを読むと、こう書いてあります。 「本書をお読みいただいた方は、この本が問題解決の方法といったハウツウ本ではないことにお気づきでし…

「日本経済の罠」(書評)

1 手に取ったわけ 日経ビジネス人文庫 日本経済の罠 増補版 | 政府刊行物 | 全国官報販売協同組合 少し、少年や刑事の話で疲れてしまった事もあり、方向性を変えて、この本を読みました。 かなり昔に、平積みにしてあったのを手に取って買った記憶がある本…

【続】ドメスティックバイオレンス(DV),児童虐待等の被害者と,「マイナンバー」

1 以前ブログで 以前、このブログで以下のような題材を取り上げました。 <a href="http://yokohamabalance.hatenablog.com/entry/2015/05/02/180604" data-mce-href="http://yokohamabalance.hatenablog.com/entry/2015/05/02/180604">ドメスティック…

社会的養護児童のアセスメント【書評】

前回から,また時間が空いてしまいました。 この間,国選事件をやり,労働審判の初動を2件(労働者側1,経営者側1)抱え,弁護士会内の研修会でマイナンバー法と個人情報保護法の改正動向を紹介し,マイナンバー法の説明用パンフレットの原稿を考えるなど…

「反省させると犯罪者になります」(書評)

1 すすめられない? 先日書いた「こどもセンターてんぽ」のイベントなどを通じて、自分の付添人活動のやり方を振り返ってみたかったこともあり、この本を読んでみました。 <a href="https://www.shinchosha.co.jp/book/610520/" data-mce-hr…

「非行と福祉」子どもセンター「てんぽ」8周年記念イベント

1 感化教育ということ 少し前になりますが、5月16日には、子どもセンター「てんぽ」の8周年記念イベントである「非行と福祉」を聞いてきました。 長年自立援助ホームを運営してこられた方を招いて、その経験をお伺いした企画です。話の中で印象に残った…

養子縁組と相続のお話

法律相談を受けていると、ときどき、養子縁組と相続について聞かれることがあります。 今回は、それについて書いてみたいと思います。 1 養子縁組とは? 養子縁組というのは、分かり易く言うと、実際には親子関係がない二人(「養親」と「養子」)の間で、…

情報セキュリティ管理の法務と実務(書評)

ゴールデンウィーク中は、仕事などもしていたので、読み込めた本は1冊だけでした。 <a href="http://store.kinzai.jp/book/12405.html" data-mce-href="http://store.kinzai.jp/book/12405.html">情報セキュリティ管理の法務と実務|きんざいストア&lt…

ドメスティックバイオレンス(DV),児童虐待等の被害者と,「マイナンバー」

1 マイナンバーって? マイナンバー社会保障・税番号制度の一部分の施行期日が、平成27年10月1日と、迫ってきました。 マイナンバーは,社会保障と税の分野などの,行政手続きにおける添付書類(戸籍や住民票など)の削減などに役立つといわれています。 具…

いじめで人が亡くなられたとき(横浜弁護士会専門実務研究発刊にも関連して)

1 大津事件の市側との和解 以前、このブログでも触れていた大津事件に関して、裁判において、ご遺族と市側との間の和解が成立されたようです。 大津いじめ和解:父親「被害者救済に意義」 - 毎日新聞 こうした事件は、当事者にとって、和解などの形で「区切…

研修会「相続税法の基礎知識」

少し前になりますが、1月8日に、横浜弁護士会の遺言相続お悩みダイヤル相談担当者向けの研修である、「相続税法の基礎知識」を受けてみました。税理士の馬淵輝之先生が講師になって下さったものです。今ホームページを拝見すると、企業の税務もやられてい…

脳脊髄液こぼれ話その2(ガドリニウム造影とブラッドパッチ)

1 関心を持った経緯 「脳脊髄液減少症」。これが世界的に注目を集めたのは、アメリカのMokri教授が「ガドリニウム造影」による頭部MRIで、侵襲性が高い検査を行わずに判別する診断法を生み出したからのようです。 脳脊髄液減少症の事件を担当したことは…

「戦略的な就業規則改定への実務」(書評)

「戦略的な就業規則改定への実務」(浅井隆著:労働開発研究会)を読み終わりました。 昨年、安倍首相もこのような発言をしていましたし、その後は日立の記事なども出ていましたね。それで買ったり、読んだりしたわけではないのですが…。 1 購入の動機 「就…

脳脊髄液こぼれ話その1-ブラッドパッチ-(あるいは書評「脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の理論と実務」)

毎年,所属している研究会・委員会の関係で,横浜弁護士会の専門実務研究に論文を書いていますが,今年は,いじめによる自死後の調査・報告義務について大津の事件を端緒にまとめてみたものと,横浜地裁判決を契機に交通事故損害賠償研究会で行ってきた脳脊…

年初の思い出:先達の背中

明けましておめでとうございます。 今年の正月にあった出来事ではなく、以前の年初めにあった出来事の記憶を、少し書いておこうかと思います。 私が新人だったころ、当時の高等裁判所の長官が、仕事始めに講話をされ,こんな事を言われていました。 -自分は…

未成年後見と、国家賠償責任(宮崎地裁平成26年10月15日判決)

本当は、後見事件について、別の切り口から書く予定だったのですが…。 先日、横浜弁護士会の高齢者・障害者の権利に関する委員会において、「未成年後見人」が本人の財産を横領してしまった事について、その後見人を監督すべき立場にあった家事審判官の責任…

東洋経済新聞社「パワハラ防止のためのアンガ-マネジメント入門」(書評)

東洋経済新聞社「パワハラ防止のためのアンガ-マネジメント入門」を読み終わりました。 何かの拍子で目次を目にし、目次から推測する限りそれなりの内容がある書籍に思えたこと、 そして「パワーハラスメント防止」のためにアンガ-マネジメントという視点…

続けていくこと

とうとう、前の更新から2カ月がたってしまいましたね。にもかかわらず、今回も法律的な内容を伴う更新はできない状態です。情けない事ですが。 年末に少し、時間が取れたら、なにかためてある文献を読んで、また書いてみたいと思っているのですが…。 少し前…

地方自治問題解決事例集 福祉編【書評】

ぎょうせいの,「地方自治問題解決事例集 福祉編」を読み終わりました。少し前に購入していた書籍でしたが,週末に,高齢者虐待防止法の研修があったため,それまでに読もうと読み進めていましたが,少し間に合わず今日読み終わりました。 「子ども家庭への…

「スクールソーシャルワーカーの職業倫理-アメリカのスタンダードに学ぶ―」(研修会)

少し前になりますが、平成26年10月5日、スクールソーシャルワーカー実践研究会が主催した研修会「スクールソーシャルワーカーの職業倫理-アメリカのスタンダードに学ぶ―」(講師:東京学芸大学准教授馬場幸子先生)に参加してきました。 スクールソー…

「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」

日本弁護士連合会の情報問題対策委員会で、 「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」の内容を検討するチームに配置されてしまったものですから、このところ、第2回までの議事録の内容等を読み込んでいました。 その委員会での発表内容、その後…

裁判官の視点を持った弁護士として

少年事件について話しているうちに、信頼していた付添人の先生を、少し傷つけてしまったかもしれません。すぐに謝っておきましたが、心遣いが足りなかったかなと反省しました。 難しいですね。 少年事件については、私自身なかなか妥協が出来ません。 相手の…

「マンション・団地の法律実務」(研究会・出版報告等)

8月23日、弁護士同士の研究会「マンション・団地の法律実務」(平成26年度関東十県会夏季研究会)がありました。 これは、10県の各弁護士会が、毎年持ち回りで何らかのテーマについて研究し、発表を行う(そして発表内容を書籍として出版する)というもの…

「ネットトラブルの法律相談Q&A」(出版報告)

昨年、共著で執筆に関わっていた本が、今日出版されました(と思います)。 「ネットトラブルの法律相談Q&A」(法学書院) 私も所属する、横浜弁護士会インターネット法研究会のメンバー全員で、分担して書いた本になります。 私の担当部分は、「第9章 …

「大津中2いじめ自殺」(共同通信社大阪社会部著。PHP新書)【書評】

1 読み終わって 大津中2いじめ自殺 | 共同通信大阪社会部著 | 書籍 | PHP研究所 やっと,この本を読み終えることができました。かなり読むのがきつかった本です。被害者の生徒の日常漏らした言葉,家族の心の動き,先生の心の動き等,かなり迫真性もある描…

子どもへの関わり:法律家と児童精神科医と教師の立ち位置

1 こころの支援セミナー 昨日,8月9日は,一般社団法人神奈川県精神保健福祉協会主催の,「平成26年度こころの支援セミナー」に参加してきました。 学校関係の方や,子どもの相談機関に所属する方を対象にして,子どもの心の理解について講師の方をお招きし…

事業主と労働者の間-すき家の調査報告書に目を通して-

1 「すき家」の労働環境改善に関する第三者委員会 調査報告書 「すき家」労働環境改善のための調査報告書受領について | ゼンショー ZENSHO この土日に,知人の方から聞いて,目を通してみました。 もともと裁判官時代は、一番関わっていた労働の問題なので…

最新裁判例に見る「職場復帰・復職トラブル予防のポイント」(書籍)

最新裁判例に見る「職場復帰・復職トラブル予防のポイント」(新日本法規 浅井隆編著)を読み終わりました。中心となる「私傷病休職からの職場復帰・復職」については,先週にすでに読み終わっていたのですが,本職の仕事等もあり,それ以降が読み進めていま…

電子書籍に関する法改正(平成26年度著作権法改正)

1 電子書籍についての法改正 著作権法が改正されましたね。平成26年4月25日に成立し、平成27年1月1日から施行されるそうです(改正法、新旧対象条文等はこちら著作権法の一部を改正する法律案:文部科学省)。 経過規定となる附則第3条では、「改…

「良いウェブサービスを支える『利用規約』の作り方」【書評】

さて。先日,後輩の弁護士(いえ,弁護士経験としてはあまり変わらないのでしょうが^^;)からの質問で,「参考にしてみては?」と薦めた書籍があったので,それを一つ。 良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方:書籍案内|技術評論社 法律関係…

とりあえず移行してみました。

使用していたぷららでのブログ(http://pub.ne.jp/yokohamabalance/)が終了してしまうことになったので、改めて「はてな」さんでブログを設置することにしました。 「はてな」を利用することにしたのは、知り合いの弁護士が利用していたこともさることなが…

少年事件を巡って-弁護士と裁判官の視点-

ずいぶん,更新が滞りました。 本当は,「ぷらら」がブログサービスを終了するので,移転の準備もしなければならないのですが, がんばらないといけないですね…。 1 少年事件における,弁護士と裁判官の視点の違い これまで、刑事事件や少年事件について書…

「高齢者・障がい者のための全国一斉電話相談」

今日(もう昨日ですが)は、4月15日=『良い遺言の日』ということで、全国的に行われた「高齢者・障がい者のための全国一斉電話相談」に参加してきました。 昨年度に比べても、かかってきた相談の電話は多かったと思いますし、遺言などに関心を持たれる方も…

ホームページ更新

確定申告も終わり、一息つきました。 かねてから、ホームページは変えようと思っていたのですが、消費税改定までに間に合わなかったので、とりあえず、現時点のものに差し替えました。 いずれにせよ、今年度から日本弁護士連合会の委員と行政委員の委嘱を受…

原発被害者支援

今日は,福島の原発被害者を支援している,「福島原発被害者支援かながわ弁護団」の活動報告等を伺ってきました。 そうした弁護団は,以前から弁護士の参加を募集していたのですが,「私1人の事務所で,この弁護団に参加してしまうと,他の仕事がほとんど出…

商事法務「破産申立マニュアル」

弁護士会の法律相談で、債務整理の法律相談を受けたので、それまで読んでいた本(銀行研修社「相続預金取扱事例集」。これも結構お勧めです。)を放り出して、とりあえず、「破産申立マニュアル」(商事法務:東京弁護士会倒産法部会)を読みました。 ちょっ…

ソフトウェア開発訴訟

民事訴訟における事実認定―契約分野別研究(製作及び開発に関する契約)- 法曹会から、上記の本が出ました。 平成19年11月10日に法曹会から出版された「民事訴訟における事実認定」の続編的な立場にある書籍のようですが、位置づけは大きく異なります…