【天秤印】名古屋・横浜弁護士雑記

現在名古屋市に勤めている元裁判官が、日々感じたことなどを書いています。

ハートネットTV「発達障害者の再出発②司法から福祉へつなぐ」

高齢者・障害者の権利に関する委員会の先生が,MLで勧めておられたので,今日は早めに帰宅してこの番組を見ていました。 昨日までは,改正個人情報保護法の施行との関係で,対応しなければならない仕事があって余裕がありませんでしたが,今日は幸いにもそ…

「…それでも生に『しかり』と言う」(ヴィクトール・フランクル「夜と霧」【書評】)

ゲルトルート・シュヴィングの「精神病者の魂への道」を読んで,心理学についての古典が,「人間の生き方」というものと密接に関わっているように思えて,また読んでみたいと思ったものですから,少し前から気になっていたこの本を【通勤読書】で開いてみま…

「武器としての決断思考」【書評】

シュヴィングを読んだ後,宇賀先生の御本(持ち歩きっぱなしですが…)に戻るのがちょっとしんどく感じて,寄り道をしていまいました。 ji-sedai.jp 一時期,大学の教授が学生向けに行っている人気授業の本として書店で宣伝されていた,「僕は君たちに武器を…

電子書籍・出版の契約実務と著作権【書評】(そしてKindle Unlimited)

www.minjiho.com 年明けに,ちょっとした課題を頂いたので,【通勤読書】で読んでいた本です。 いえ,インターネット法研究会の有志で本を執筆したときに,「著作権法」を担当したこともあり,少し関心があったことも否めないのですが。 1 この書籍について…

「虐待の疑いのある乳幼児頭部外傷についての法的考察」(平成28年度専門実務研究:予定ですが;)

神奈川県弁護士会が毎年出している【専門実務研究】について、頒布を希望するかどうかを尋ねる問い合わせが、会員である我々弁護士に来ました。 専門実務研究は、神奈川県弁護士会に所属する弁護士が、研究会や委員会、個人等で研究・調査した論文などを投稿…

公益通報って、難しいですよね…。

この本を読み終わりました。 田口和幸他著「公益通報者保護法と企業法務」(民事法研究会 平成18年) 昔の本なので、民事法研究会のサイトにも載っていませんね。 この本は、新しく買う本としてお勧めする本ではありません。 公益通報者保護法が本格施行され…

「子どもの権利に関する委員会」

先日は,「子どもの福祉部会」の上位組織である,「子どもの権利に関する委員会」に出席して,部会退会の希望などを伝えてきたのですが…。 これまで,「子どもの権利に関する委員会」を続けるかどうかは,ゆっくり考えてもいいと思っていたのですが,出てみ…

児童虐待対策分野から、離れることについて。

これまで、このブログでも「子どもの権利」関係の活動や書評を書いたこともありましたが、本日、神奈川県弁護士会で、児童相談所の来年度以降の嘱託・非常勤が一応決まったことを持って、私自身は、来年4月からは児童虐待対策を取り扱う、「子どもの福祉部会…

定年後再雇用と労働契約法20条(控訴審)

以前、幾度かブログで触れていた定年後再雇用と労働契約法20条の問題で、 yokohamabalance.hatenablog.com 控訴審が出たようですね…。 東京新聞:定年後賃下げに「合理性」 労働者側が逆転敗訴 東京高裁:社会(TOKYO Web) これまでの記事で原審に疑問に感じ…

Q&A家事事件と保険実務【書評】

【通勤読書】で,この本を読み終わりました。 www.kajo.co.jp この本は,家事事件の各場面(成年後見,高齢者,相続,遺言,未成年等)で,保険契約について生じる問題について書かれた本です。 弁護士業務において,必須の知識かというと,そこまでではない…

【士業連携】を考える-【暮らしと事業の何でも相談会】

最近,新しい法律や,判例について書いてきたこともあって,日常的なイベントもの等は書きづらくなっていたところもあるのですが…。 10月1日に藤沢商工会議所の「暮らしと事業の何でも相談会」に参加してきました。 1 藤沢商工会議所の取り組み 藤沢商工…

定年後再雇用と、「別の業務」

事務職として働いていた男性が、定年後の再雇用で、清掃業務を提示されたこと等について、違法性を認めた高裁判決が出た、という報道があります。 再雇用巡りトヨタ敗訴、127万円支払い命令 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 定年後の再雇用「事務→清…

「まず大人が幸せになって下さい。そうすれば子どもも幸せです。」:埼玉の事件報道に接して思うこと

埼玉で,痛ましい事件が起きてしまいました。 headlines.yahoo.co.jp つい先頃,川崎市でも痛ましい事件でこどもの命が失われ,教師や福祉関係者,そして弁護士も「何故この事件を防げなかったのか」「どうしたらこうした事件を防げるのか」を議論していた,…

アディクションと加害者臨床【書評】

さきのブログで書いたように、小林桜児先生の話を聞いて、すこし【依存症】というものについて知りたく思い、通勤電車の中でこの本を読んでいました。 藤岡淳子編著「アディクションと加害者臨床」(金剛出版2016) 金剛出版さんの本は,家族療法リソー…

【刑の一部執行猶予】(薬物)依存症への取り組みとして

歌手の薬物事件について、「懲役1年6月、うち4月を2年間の保護観察付き執行猶予(求刑・懲役2年)」との判決が言い渡されたという報道が、少し前にありました。 報道を目にされた方の中には、「『うち4月を2年間の保護観察付執行猶予』ってなんだろう…

定年後再雇用と労働契約法20条(その5:平成28年5月13日東京地裁判決についての思いつき②)

前のブログを書いてから,随分経ってしまいました。 yokohamabalance.hatenablog.com 前のブログでも、結局、【考え方の糸口】を書いてみただけで、そこで一度力尽きてしまっていたのですが…。 しばらく他の仕事などをしているうちに,またいろいろ考えが沸…

定年後再雇用と労働契約法20条(その4:平成28年5月13日東京地裁判決についての思いつき)

う~ん,なるほど。そういうことなのか…。少し,頭が整理されてきた気がします。 先の,6月26日のブログの「2(1)」で, yokohamabalance.hatenablog.com 1(4)で触れたように、「65歳定年」として同じ「期間の定めのない社員」となれば、60歳…

JILPT「高年齢者の雇用に関する調査」(定年後再雇用と労働契約法20条追捕)

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)から、「高年齢者の雇用に関する調査」が発表されました。 調査シリーズNo.156「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」|労働政策研究・研修機構(JILPT) 平成27年7月17日から7月31日にかけて行わ…

定年後再雇用と労働契約法20条(その3:平成28年5月13日東京地裁判決についての感想)

前のブログで紹介した、平成28年5月13日東京地裁判決について、感想めいたものを含めて、続きを書いてみたいと思います。 判決内容の紹介等は、前のブログを見ていただければと思います。 yokohamabalance.hatenablog.com まず、判決を読む際の注意点に…

定年後再雇用と労働契約法20条(その2:平成28年5月13日東京地裁判決の紹介等)

以前,ブログでも書いた,平成28年5月13日東京地裁判決を読んでみました。 まだ,判例雑誌等にも載っていないと思いますし,裁判所のHPにも掲載されていませんでしたが,判例検索システムのウエストロー・ジャパンには掲載されていました。 しかし…、…

再婚禁止期間の短縮(6箇月から100日へ)

1 はじめに 「民法の一部を改正する法律」が本日成立したようです。 ●民法の一部を改正する法律案 具体的に、従来の民法の定めと何が変わったかと言うと、以下のようです(削除等されたところは取消線、追加等されたところは赤色で書いてみました。)。 (…

定年後再雇用と労働契約法20条

今朝、新聞を見てびっくりしました。 headlines.yahoo.co.jp …いえ、取っているのは読売新聞なのですが。 労働契約法20条を根拠として、定年後の期間雇用社員が正社員と同じ業務に従事しているにもかかわらず、賃金に差があることを問題とした判決が出たよ…

成年後見に係る法改正(その4)-成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について

1 成年後見の死後事務と金融機関の扱い (1)口座名義人がお亡くなりになったときの,金融機関の扱い さて,(その3)では,成年被後見人の債務(相続債務)を返済することを始め,さまざまな出捐を伴う死後事務について触れましたが,これらの行為も,そ…

成年後見にかかる法改正(その3)-成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について

何度か「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続き法の一部を改正する法律」について書いていますが,疑問を持っていたにもかかわらず、自信がなかったために書くのを避けてきたところがあります。 それは,以下の条文(民法)に関連する事…

成年後見に係る法改正(その2)-成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について

実のところ、前のブログに書いた内容以上のことについては推測できる資料が少なすぎたので、書く気が無かったのですが、他の弁護士の先生と少し話していて、関心ができたこともありましたので、それについて、少しだけ追記します(もう少し続くかも?。☞ひと…

成年後見にかかる法改正(成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律)

標記の法律が、可決されたようです。 衆法 第190回国会 20 成年後見制度の利用の促進に関する法律案 以前、「通知カードが転送された時に、成年後見人が開封してよいのか」という問題を書いた際に、触れた法律案すが、このたび正式に成立しました。施行はま…

後見人とマイナンバー(その3:マイナンバーが必要な主な事務)

委員会の関係で、後見とマイナンバーの整理を担当することになりましたので、それに関連した内容を。 1 後見人の業務の中で、マイナンバーを取り扱うものは?。 この質問、聞かれることあるんですよね…。 とはいえ、後見人は、被後見人の持つ権利のうち、一…

認知症高齢者の鉄道事故について

1 平成28年3月1日最高裁判決について 認知症の高齢者が徘徊していて、駅構内の線路に立ち入り鉄道事故となってしまい、鉄道会社が親族に監督責任等を問うていた事件について。 最高裁判所の判決が出ましたね。 今は一時的にこちらに掲載されているよう…

マイナンバーは危険なのか(その3:詐欺・消費者被害を少なくするために)

1 はじめに マイナンバーに関して、詐欺等の電話がかかることが続いているようです。 以前、タウンニュースの取材をいただいた時にもお答えしたことですが、個人的にはこれが一番懸念していたことなのですよね…。 なぜこういったことが起こるかと言うと、①…

マイナンバー:紛失・漏えい時に行うべきこと(本人)

これまでで、マイナンバーに「なりすまし」や「情報漏えい」などについての【大きな危険】まではないのではないかということを書いてきました。 yokohamabalance.hatenablog.com とはいえ、「個人番号カード」や「通知カード」を紛失したり、マイナンバー自…